〈いや、これはむつかしい。私は思う。歳月は覚悟も勇気もなし崩しにしてしまう容赦ない力を持っている。私は九十年の人生でまざまざとそれを見てきた。恋も熱病である限りやがては熱は下ることも。それが人間というものであり、「生きる」とはそういうことなのだ〉
こうした人生の本質を突いた言葉を、ユーモアに包んで綴ったエッセイに届いた読者からのはがきはなんと2万通を超える。しかも、10代から90代まで、世代の幅が広い。
「内容が身近なこと、文章の歯切れのよさ…独り居の気楽さもあり、食事も忘れて読みました。全く同感な事柄、そうそう!! と思いつつ、久しぶりに胸のすく思いでした。またこのような本を読みたいです」(90才女性)
「読んでいて、思わず噴き出して笑った。そやそや、私もそうや、と。私は93才、こんなに楽しく笑えたのは久しぶりだった。励まされた思いである。心が軽くなった」(93才女性)
「とても読みやすく、言葉一つ一つがおもしろかったです。また、勇気をもらえる言葉も多く、もっと頑張ろうと思えました」(12才女の子)
「私は小学生なので、90才目線のいろいろな意見や感想が知れてよかったです」(12才女の子)
皆さんの感想を読んで改めて思う。九十歳。なんとめでたい、と。
※女性セブン2018年5月10・17日号