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栃ノ心を大関、高安を横綱に…相撲協会の浅はかな人気回復策

栃ノ心は大関昇進がかかるが、その内実は…(時事通信フォト)

 5月13日に初日を迎える大相撲夏場所は、またも直前まで3横綱が揃うかどうか微妙な状況が生まれている。そうしたなかで“新大関・栃ノ心”と“新横綱・高安”の誕生の可能性が盛んに叫ばれている。

 もちろん、土俵で文句なしの結果を残しての昇進であればいうことはないが、場所前から早くも協会の“思惑”が見え隠れする。

 栃ノ心が所属する春日野部屋の後援会関係者は、「栃ノ心は今年初場所に14勝1敗で初優勝、3月場所も10勝5敗。あと9勝で、大関昇進の条件となる“3場所33勝”はクリアできる」と鼻息が荒い。

 しかし本来、大関昇進の条件は“関脇で3場所連続の安定した好成績”が原則だ。3場所33勝はその目安である。別の一門のある親方が声をひそめていう。

「平幕力士は上位陣との対戦が少ないケースもある。過去には3場所で34勝、35勝なのに、“3場所前は平幕だった”ことを理由に昇進が見送られたこともある。

 ところが今回の栃ノ心は初場所が平幕優勝で今場所が初めての東関脇にもかかわらず、協会執行部は『2ケタ勝てば昇進確実』というムード。八角理事長は夏場所で大関昇進が懸かるとの認識を示しており、マスコミもそれを煽っている」

 大関昇進の基準はそもそも曖昧で、運用に“幅”を持たせられる。今回のケースについて、ベテラン記者はこんな言い方をする。

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