スポーツ

タラレバが多い競馬関係者の「レースへの期待」の読み方

タラレバだらけの関係者コメントをどう読むか

 競馬新聞などに掲載される「調教後のコメント」は含むところが複雑である──というのが前回。「レースへの期待」になると、さらに奥が深くなる。調教師・角居勝彦氏の週刊ポストの人気連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、コメントによく登場する「~たら」「~れば」の読み解き方についてお届けする。

 * * *
 ポピュラーなところをざっと挙げますと、「スタートが良ければ」「うまく流れに乗れれば」「展開が向けば」「うまく馬群をさばければ」「落ち着いて走ってくれれば」「バラける形になれば」「手前を上手に替えられれば」などなど。「時間がかかる馬場ならば」というのもよく見かけます。

 タラレバのオンパレード。「レースへの期待」なので、そういう傾向が出るものなのでしょうけど、それにしてもすごい(笑い)。「スタートを決めて、もまれずに走れれば上位争い可能」なんて、ダブルのタラレバもある。二つも願いが叶えば、そりゃ上位争いになるでしょう。

 実際のレースと陣営の「レースへの期待」をすり合わせて見ると面白いかもしれません。「スタートが決まって」、「もまれずに走った」にかかわらず、ふたケタ着順だったこともきっとあります(笑い)。もちろん、コメントどおりに「時間がかかる馬場」だったから好走できた場合もある。

 これらレース前の「タラレバコメント」はそのままひっくり返せば、結果が芳しくないときの言い訳に使えます。「スタートでもたついた」「流れに乗れなかった」「展開が向かなかった」「さばけなかった」「少しかかってしまった」「馬群がバラけなかった」「手前を巧く替えられなかった」「思ったほど時間がかからなかった」などなど。

 そう考えると、調教師のコメントは、半分以上は馬主さんに向けたもののようにも思えます。どんな競馬でも勝てば文句なしですが、負けたときにはそれなりの理由が必要です。だから、コメントにはその馬のウィークポイントが潜んでいるともいえる。そのあたりを読み解くところに文学性を感じませんか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
1年時に8区の区間新記録を叩き出した大塚正美選手は、翌年は“花の2区”を走ると予想されていたが……(写真は1983年第59回大会で2区を走った大塚選手)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈3〉元祖“山の大魔神”の記録に挑む5区への出走は「自ら志願した」
週刊ポスト
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン