「増原さんと一緒にちょっとした日帰り旅行に出かけても、旅先の人が増原さんのことを“勝間さんのマネジャーですか?”と聞くんです。家に人を呼べない、一緒に出かけられない、人に聞かれた時にもごもごと答えなければならない。そうした積み重ねです。実際に恋愛感情はあるので、それは正直に話した方がいいかなということです。単純な話、私は彼女を正当なパートナーとして見てほしいんです。
今年に入って正式におつきあいを始めてから、時期を見て公表することも考え、マスメディアに出ることも極力避けてきました。私がカミングアウトすることで、一緒に仕事をする人にもどんな影響があるのか想像もつかないので、仕事に影響が出ることは最小限にするつもりでした。公表のための“準備期間”ですね」(勝間さん)
博報堂DYグループの「LGBT総合研究所」の調査(2017年2月)では、カミングアウトしている割合は全体の10数%しかいない。多くの人が口に出せずにいる現実がある。
◆「恋心」なのか「友情」なのか
これまで2度の離婚を経験している勝間さんはこう話す。
「好きになるのは、女性に限ったことではないんです。結婚生活を2回送っているし子供が3人もいますからね。男性との夫婦生活も違和感を持ったことはありません。私は男性だから好き、女性だから好きというわけじゃない。今は増原さんが好きだし、以前は前の夫たちが好きだったから結婚したわけです。そこに男女の区別はないんです」(勝間さん)
自分では「パンセクシャル(全性愛)」というカテゴリーが近いのではないかと言う。ただ、高校生、大学生の頃から「女の子を好きになる感覚があったのに、フタをしてきた」と彼女は打ち明ける。
「男の子を好きになると、性的な意味で“手を繋ぎたいな”と感じると思います。私は、女の子に対してもそういう感情がありました。もちろん、それは親友の女の子にはない感情であって、はっきりと区別できます。でも、男性も好きになるし、女性に対してはダメなことだと思っていたし、行動に移すほどの気持ちではないと思っていたんです」(勝間さん)
男性との交際に違和感が募った増原さんは、大学院時代に留学したフランスで同性愛をオープンにしている人々と出会い、人生が変わった。