「個人単位の生前申し込みが基本で、お一人おひとり築地本願寺とご縁を結んでいただきます」(安永さん)

 礼拝堂の回廊を歩くと、大勢の契約者たちの名前が刻まれていた。「築地本願寺倶楽部」という会費無料の会員組織にも入れる。ここには、自動搬送式の納骨堂のような個別の参拝室はないが、大ブランド寺院・築地本願寺そのものを「私のお寺」とする仕掛けがある。ヒット商品は真似られるのが常だ。今後、自動搬送式から固定の合同墓へと、納骨堂の“流行”のシフトも考えられる。

【プロフィール】井上理津子●1955年、奈良市生まれ。大阪のタウン誌『女性とくらし』編集部勤務後、フリー。人物インタビューやルポを中心に活動中。著書に『さいごの色街 飛田』、『葬送の仕事師たち』(いずれも新潮文庫)、『親を送る』(集英社インターナショナル)、『旅情酒場をゆく』(ちくま文庫)など。

※SAPIO2018年5・6月号

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