最後に話を視聴率の急浮上に戻すと、その理由は「確信犯的なワンパターンにハマリはじめた人が多い」ことに加え、もう1つ挙げたいのは、「終盤への期待感」。視聴者が「ここまではワンパターンだったけど、終盤は変化があるだろう」「そろそろブラックペアンの謎解きがはじまるのではないか」という期待感を抱いたのではないでしょうか。
実際8話は「渡海登場」まで、いつも通りのワンパターンな展開。しかし、そこに佐伯教授(内野聖陽)が現れ、手術を交替してしまいました。そして手術後に、佐伯教授が倒れたところで、ドラマは終了。視聴者の期待通り、終盤に入って初めてワンパターンを崩したのです。
渡海と佐伯の過去や、体内にペアンが残されたレントゲン写真の秘密が解明される残り2話は、さらなる視聴率アップの予感大。確信犯的なワンパターンをベースにしつつ、どこまで意外な展開を用意しているのか楽しみです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。