ライフ

防衛大学校に学ぶ「ストレスフルな環境で成長する」考え方

防衛大の厳しさ、そして学ぶこととは(左から二階堂氏、濱潟氏)

 誰でも、強いストレスを感じ、心が折れそうになることはある。そんな苦しい時、どうすればいいのか。日本一過酷な大学といわれる防衛大学校での学生の成長を描く少年漫画『あおざくら──防衛大学校物語』の著者・二階堂ヒカル氏と、同大OBでビジネスマンに防衛大で培ったメソッドを教えている濱潟好古(はまがた・よしふる)氏が、厳しい環境の中で人間が成長する過程について語り合った。白熱の“防衛大対談”──。

 * * *
二階堂ヒカル(以下、二階堂):作品づくりのために防衛大生、OBの方、家族の方などにお話を聞いていると、本当に過酷な環境で生活しているんだなと感じます。特に24時間体制で行われる上級生からの厳しい生活指導は他に類を見ないものですね。

濱潟好古(以下、濱瀉):防衛大時代、私は“ダメっ子”だったので…(※注)。時間を守るという基本的なことから、靴磨きやアイロンがけなどの身の回りのこと、食事の配給などの全体にかかわることまで、何をやっても叱られました。全寮制、絶対縦割り社会の中で、注意され、否定され…常にストレスフルで精神的に追い込まれていましたね。

【※注/防衛大では、できの悪い生徒を“ダメっ子”と呼ぶ。逆に成績優秀な生徒はデキっ子と呼ばれる】

二階堂:しかも、防衛大で1~2を争うほどキツイ「短艇委員会(防衛大のカッターボート競技のクラブ)」にいらっしゃったんですよね。

濱潟:短艇委員会って言うと、上級生にも同情されるくらいでした(笑)。私が在籍していた頃は、授業が終わったら隊列を組んで足並みそろえて寮に帰るのですが、短艇委員会だけは練習場所までダッシュでした。しかも上級生に抜かれたらアウト。抜かれたら……(殴るしぐさ)。

 私は何度も抜かれて、先輩たちから愛の鞭を何度も浴びていました。ただ、逆もしかりです。下級生が上級生を抜くときもある。そんなときは、抜かれた上級生も部内で怒られていました。学年関係なくみんな必死に取り組む組織でした。

二階堂:壮絶ですね……。

関連キーワード

関連記事

トピックス

クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン