ライフ

【著者に訊け】山崎ナオコーラ氏 『偽姉妹』の着想は?

『偽姉妹』著者の山崎ナオコーラ氏

【著者に訊け】山崎ナオコーラ氏/『偽姉妹』/中央公論新社/1700円+税

 思えば2004年のデビュー作『人のセックスを笑うな』に、こんな一節があった。〈木の枝と枝の、間の空。あれは存在しているのだろうか〉〈巨大な空と、枝に囲まれた小さな空は、別物だ〉〈囲んだ途端に、風景は切り取られる〉──。

 一方この女性たちはどうか。シングルマザー〈正子〉、元職場の先輩〈百夜〉、ウクレレ教室で出会った7歳下の友人〈あぐり〉に当然血縁はない。それでも3人は正子が建てた〈屋根だけの家〉に住み、正子の息子〈由紀夫〉を一緒に育てている家族であり、『偽姉妹』なのだ。

 そもそも偽姉妹を名乗る前から3人の関係は存在し、その名前を超越した可能性まで、山崎ナオコーラ氏は本書で標榜してみせる。帯に〈家の中から“明日”を変える長篇小説〉とあるが、小説とはかくも革新的で、社会的なものだった!

 着想はなんと、叶姉妹と阿佐ヶ谷姉妹だったという。

「元々は他人同士の女性たちが、姉妹ユニットを組み、社会的に活動していることが、私には血縁を超えた新しい家族の作り方を体現しているように思えたんです。しかも世間には、美人は美人同士、ブスはブス同士でくっつけみたいな圧力があって、美人とブスが友達だと損得目当てとしか見てくれない(笑い)。でもブスと美人でも普通に親友になれるし、そもそもブスという言葉も私はもっとフラットに使いたくて、この姉妹交換の話を書いたんです」

関連記事

トピックス

茨城県水戸市のアパートでネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された
《水戸市・31歳ネイリスト女性死亡》「『誰かのために働きたい』と…」「足が早くて活発な子」犯人逃走から6日間、地元に広がる悲しみの声
NEWSポストセブン
浅田真央と村上佳菜子の“断絶関係”に変化
《声をかけて寄り添って》浅田真央と村上佳菜子の“断絶関係”に変化 沈黙から一転、見られていた「雪解けの予兆」
NEWSポストセブン
新宿の焼肉店で撮影された動画が物議(左は店舗のInstagramより、右は動画撮影者より提供)
《テーブルの上にふっくらとしたネズミが…》新宿・焼肉店での動画が拡散で物議、運営会社は「直後に殺処分と謝罪」「ねずみは薬剤の影響で弱って落下してきたものと推察」
NEWSポストセブン
新年一般参賀に出席された秋篠宮家次女・佳子さま(2026年1月2日、撮影/黒石あみ)
《新年一般参賀で見せた“ハート”》佳子さま、“お気に入り”のエメラルドグリーンドレスをお召しに 刺繍とハートシェイプドネックがエレガントさをプラス
NEWSポストセブン
元仙台高裁判事の岡口基一氏
「裁判所当局が嫌がった核心は白ブリーフだった」 弾劾裁判で法曹資格を失った岡口基一氏が振り返る「岡口裁判の急所」とは 裁判所と司法記者クラブの問題点も指摘
NEWSポストセブン
新年一般参賀に出席された皇后雅子さま(2026年1月2日、撮影/黒石あみ)
《新年一般参賀の“ブルーリンク”コーデ》皇后雅子さまはスタンドカラーでフォーマルに、愛子さまはマオカラー風で親しみやすさを演出
NEWSポストセブン
ネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された水戸市のアパート
「赤ちゃんをかばおうとしたのか…」「複数の凶器で犯行」水戸市で死亡のネイリスト女性(31)がかつて警察に相談していた“人間関係トラブル” 
NEWSポストセブン
1995年、チャリティーゴルフ前夜祭に参加した“ジャンボ”こと尾崎将司さん(左)と長嶋茂雄さん
【追悼・ジャンボとミスターの物語】尾崎将司さんと長嶋茂雄さん、昭和のスポーツ史に名を刻んだレジェンド2人の重なる足跡 ライバルと切磋琢磨し、後進の育成に取り組んだ
週刊ポスト
松田烈被告
「スマホから『映してください』と指示の声が…」ネットで“性的暴行してくれる人を募集”した松田烈被告(28)、被害女性が語った“外道すぎる犯行”
NEWSポストセブン
真美子さん(共同通信)が使用していたブランドとは
《ハワイ・ファミリーデートで真美子さんが持っていたプチプラバッグ》「同年代インフルエンサーのアスレジャーブランド」か?と話題に 実用性の高いトートバッグ、大谷は「娘のベビーカー担当」
NEWSポストセブン
郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「奥羽山脈周辺に“異常変動”が集中」「千葉県が大きく沈降」…2026年初めに警戒すべき5つの地域
週刊ポスト
ジャーナリストの溝口敦氏(左)とフリーライターの鈴木智彦氏
《溝口敦氏×鈴木智彦氏が対談》山口組抗争終結後の暴力団 勝ったはずの六代目山口組含めて勢力は縮小、トクリュウのほうが経済規模も大きく勢いがある現状
週刊ポスト