「それぞれおばあちゃんになれば外見まで似てきたり、雰囲気が姉妹っぽいと言われる時代が来てもおかしくない気がする。なので、人種とか性別が違う姉妹まで存在する近未来を、先取りで書いてみました」
家族、血縁、美醜など、漫然と受容してきた世界が偽姉妹なる造語一つで崩れ、残るのは本当に大事にしたい人だったり関係だったりした。ことは善悪ではなく性格やセンスの問題と言い切る社会派はこの逆説的な物語をもって、より柔軟で多様な未来を自ら切り拓く。
【プロフィール】やまざき・なおこーら/1978年福岡県生まれ、埼玉育ち。國學院大學文学部卒。2004年『人のセックスを笑うな』で第41回文藝賞を受賞しデビュー。2017年『美しい距離』で第23回島清恋愛文学賞。著書は他に『浮世でランチ』『昼田とハッコウ』『反人生』等。「今となってはこの筆名が恥ずかしくて(笑い)。でも同じカタカナ名のリリー・フランキーさんを見ると、名前が持つ意味は自分や仕事の実績が作っていくものなんだなあって改めて思います」。158cm、B型。
■構成/橋本紀子 ■撮影/国府田利光
※週刊ポスト2018年7月13日号