さらに北山からは、新曲に千賀命名&考案の「キスマイ・メリーゴーランド」なる見せ場があることも説明された。キスマイにリーダーはいないのだが、年長でMCを担当し続けた北山には、メンバー全員を前に出してやるという術が既に身についている。前後2列に並んでVTRメッセージを収録するときなどにも、北山はずっと椅子に斜めに腰かけ、後ろの4人を盛り立て、話を振っている。
ファンの方にとっては「また一言も喋らなかった」という感想が多い藤ヶ谷は、実は、全体を把握したり、笑顔で頷いたり、たっぷり間をとって大きいオチを導く人でもある。
今回のツアーの挨拶で、ステージ上で他の6人を見渡した際、「カッコイイと思った」と言った藤ヶ谷は、北山と共に先頭に立ってグループを牽引し、メインボーカルとして支えてきた。その美しい高音については「自分には出せない」と北山が高く評価している。グループの魅せ方やセルフプロデュースにもたけているし、クールに見えて、実はいちばん熱い男かもしれない。
「ブサイク」からスタートし、SMAP兄さんたちが歩んだバラエティーで羽ばたく路線に早くから乗せてもらい、知名度を上げること、一人一人の個性をさらに磨くこと、全く新しいことにチャレンジすることなどを続けてきた7年間。
デビューの3年前ぐらいからなので、約10年間、彼らを見続けてきた私は、西武ドームでの公演を見て、「キスマイは全員が異なる武器を持った」という感想をもった。それぞれの武器は、当初、持っていた内容から種類を持ち変えたものもあれば、数を増やしたものもあるし、ハンパなくバージョンアップしたものもある。当然のことだが、多くの武器を手にしたキスマイは、とてつもない力をもったグループに成長した。
定期的に出演している番組においても、不定期で出演している番組のスタッフからも、ドラマや映画、舞台のスタッフからも、「ずっと仕事をしたい」「また組みたい」などと言われ、とても評判がいいグループでもある。
とにかく全員がガムシャラで、貪欲。でも、自分たちを客観視することもできて、常に新しいステージを目指しているのがKis-My-Ft2なのである。次の大きな節目となる周年記念が楽しみでならない。