そうした個人レベルでの球場との相性の積み重ねが、ひいてはチームにとっての鬼門につながっていくのだろうか。プロ野球のデータに詳しいジャーナリスト・広尾晃氏も首を傾げる。
「チームごとに球場別の成績を調べてみましたが、法則のようなものは見つけられませんでした。リーグ優勝するようなチームでも、特定の『苦手球場』は突然現われるようです。
ドラフトやFAで各球団の実力が均等化しているはずですし、今シーズンの巨人や西武のように戦力的に大きな穴があるわけでもないチームにも苦手球場があるのは実に不思議です」
原因不明だからこそ球団関係者にとって悩みの種だ。デイリースポーツ元編集局長の平井隆司氏はこう話す。
「特定の球場で負けが重なると、現場はフロントへの敗因説明が大変という話はよく聞きます。相手が先発投手のタイプによってマウンドの高さや傾斜を変えてきているんだとか、攻守で飛ぶボールを使い分けているとか、サインが盗まれているとか。挙げ句に敵地がドーム球場だと、攻守で空調をいじられているから相手はその風に乗せてホームランが打てるんだ、とか(苦笑)。そんな苦しい言い訳をしたくなるくらい厄介なんです」
※週刊ポスト2018年8月10日号