「18の学会は、日本内科学会や日本外科学会など医学界の中枢にある学会で会員数も多い。これらの理事は強い発言力や決定権を持ち、学会の指針の決定や各学会の策定するガイドラインなどにも大きな影響を与えるため、製薬会社にとって格好の“営業先”です。そこで18学会の理事405人を対象に彼らが2016年度に製薬会社から受け取った謝礼を調査しました」
製薬会社が医療機関や医師個人に支払う謝礼は、「研究開発費等」「学術研究助成費」「原稿執筆料等」「情報提供関連費」「その他の費用」に分類される。
尾崎医師らはこのうち、病院を通すことなく医師個人に直接渡される「原稿執筆料等(講演料、原稿執筆料、新薬開発のコンサル料)」に着目、データを抽出して医師ごとの金額をまとめた。
浮かび上がったのは、製薬会社から医師にわたる巨額マネーの実態だ。
「405人のうち、製薬企業から謝礼を受け取っていたのは86%の350人に達しました。金額は一部の医師に集中する傾向があり、うち10人は1000万円を超える謝礼を受け取っていました」(尾崎医師)
◆「何もやましいところはない」
本誌・週刊ポスト8月10日号(7月30日発売号)では、謝礼額上位50名の医師の実名と謝礼額をまとめた表を掲載。そして50人全員に見解を訊ねている。以下、その主な回答を載せる。