芸能

『Santa Fe』ほか90年代「女優写真集ブーム」の背景

90年代、なぜあれほど盛り上がった?(写真はイメージ)

 1991年10月13日の読売新聞、翌日の朝日新聞に写真集『Santa Fe』の全面広告が掲載された。全裸の宮沢りえが股間に手を添えて立ち、指の間に黒い影が見えている──全国紙にヌード写真を使った全面広告が掲載され、しかもモデルは18歳のトップアイドル、撮影したのは篠山紀信氏という最も著名な写真家。そんな前代未聞の事態に世間は騒然となり、発売日の11月13日には民放のワイドショーばかりかNHKの全国ニュースにまで取り上げられた。

 これによって本格的なヘアヌード写真集の時代が幕を開けた。1990年代を通して樋口可南子、荻野目慶子、島田陽子、大竹しのぶ、石田えり、杉本彩、川島なお美、石原真理子、宮崎ますみ、高岡早紀、菅野美穂、葉月里緒奈ら有名女優、タレントが次々とヘアを晒し、一流写真家が撮影した。

 ブームのピークは1994年で、年間200冊以上が発売され、売れに売れた。『Santa Fe』の155万部は今も写真集として世界最高記録であり、他の作品も数十万部を売り上げた。

「写真集がこれほどの社会現象になったのは、写真史上、空前絶後のことです」

 と、写真評論家の飯沢耕太郎氏は指摘する。島田陽子『KirRoyal』が55万部のヒットを記録すると、松尾嘉代、辺見マリ、西川峰子、伊佐山ひろ子ら“熟女”が次々と挑戦。女子プロレスラー・井上貴子、元女流棋士・林葉直子ら“異業種”からの参入も続出した。

 写真家・加納典明氏は素人モデルを使って写真集を作り、人気を呼んでいたが、猥褻図画に当たるとして逮捕された。藤田朋子の写真集は本人が出版を了承していないと訴え、発売直後に出版差し止めの仮処分になった。なぜこれほどまでに「ヘアヌード」が熱かったのか? 飯沢氏はその背景を2つ指摘する。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン