芸能

山崎賢人が演じる発達障害役、演技助言医師が伝えるリアルさ

『グッド・ドクター』医療監修の西脇俊二さん

 意思疎通ができない。病気のため、偏見から周囲に冷たくされ、周りになじめない。けれども、「すべての子供を大人にしたい」という純粋な情熱で患者と向き合い、やがて周囲を動かしていく──。

 ドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)が「毎週泣ける」と、今クールで随一の注目を集めている。主演の山崎賢人(23才)が演じるのは小児外科の研修医・新堂湊。発達障害の一種である自閉症スペクトラム障害で、他人との意思疎通に困難を抱える一方、ある領域に突出した才能を発揮する「サヴァン症候群」でもあり、天才的な記憶力を持つという難しい役どころだ。

 第1話では発達障害を理由に湊が治療に加わることを拒否された。しかし、湊が子供の急変を察知して緊急手術し、命を救う。湊を信用しなかった親は謝罪するが、湊は「大丈夫です。ぼくは人と違います。慣れています」と返した。

「その言葉がとてもつらくて。どんな過去を乗り越えてきたんだろうと…」(40代主婦)

 それ以降も大塚愛(35才)がツイッターで《胸がはりさけそうで、とても受け止めきれない》とつぶやけば、三浦春馬(28才)も《久々にドラマ観て泣いたなー》と書き込み、大きな反響を呼んでいる。

「視聴率は初回から4話連続で10%超。シナリオの巧みさもさることながら、山崎さんの演技がとにかくすごい。撮影にあたり山崎さんは自閉症に関する大量の本を読み込み、難しい医療用語もしっかり把握していました」(ドラマ関係者)

 その熱演の陰にはある精神科医の存在があった。このドラマに医療監修の立場でかかわっているハタイクリニック院長の西脇俊二さん(56才)だ。

「私も自閉症スペクトラム障害の一種である『アスペルガー症候群』を抱えています。自分がそうであると気づいた30代半ばまで、人間関係に苦手意識を持ちながら生きてきました。たとえば子供の頃、親や先生にどんなに怒られても、泣いたり取り乱したりという感情的な反応がなく、周囲からは“なんで?”“扱いづらい子供だ”とよく言われました」(西脇さん。以下「」同)

 アスペルガー症候群は、知的な発達は正常ながら、こだわりが強く、場の空気が読めないのでコミュニケーション問題を抱える場合が多い。西脇さんも悩みを抱えながら精神科医として長年、発達障害の子供たちと向き合ってきた。

 そうした経験からドラマの医療監修として山崎に演技のアドバイスをしたという。

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