他にも、「山林・険阻・沮沢の形を知らざる者は、軍を行ること能わず」も印象深い。これは、孫子の言葉で山林や険しい地形、湖や沼地を知らなければ、軍を進めることができない。争いごとには相手の正しい情報が必要であることのたとえだ。
人気の理由は数多くあれど、大きな要因として、これらの亜希子が発する言葉の力がある。
会社員の内藤浩介さん(仮名・38才・東京都)は仕事で忙しい日々の中、通勤時に見るのを楽しみにしている。
「亜希子は博学で、戦国武将のようなたとえや教訓を連発します。それが“場違い”で笑えるんですけど、何よりためになるんですよね。亜希子に気合が入るとき、戦に使われたほら貝や太鼓の効果音が鳴り響く。あれも勇ましくて気が引き締まる(笑い)」
冒頭の名言もその1つ。視聴者からは「勉強になる!」と反響が大きかった。他にもこんなせりふがある。
「私の見たところ、あの集団は典型的なトップダウン。このような場合、交渉はボスとするのがいちばん早いと思われます。大丈夫です。十中八九、この交渉は成功します。みゆきちゃんならできます。もしうまくいかなければ、責任は私が取ります。行きなさい!」(第1話)
みゆきがクラスのガキ大将、ヒロキにちょっかいを出されていた。亜希子が見る限り、ヒロキはそこまでの悪人でもなさそうだから、ストレートに本人と交渉した方が早い…そうアドバイスしたのだ。
最後の「責任は私が取ります」という言葉は、母親に言われても上司に言われてもうれしい言葉だ。
※女性セブン2018年9月13日号