ビジネス

AIは金持ちのツールになる 2030年に起きる混乱シナリオ

「AIのイメージに短絡的に振り回されてはいけない」と竹内氏

 あらゆる業界でAI(人工知能)を駆使した技術革新が目覚ましいが、気になるのは、AIをいとも簡単に利用できるかのようなイメージを与えている点だ。しかし、AIはタダではなくお金がかかる。「資金力によって“AI格差”も生まれてきます」と指摘するのは、アップル元社員でITジャーナリストの竹内一正氏だ。同氏が近著『物語でわかるAI時代の仕事図鑑』(宝島社)の内容を紹介しながら、AI社会と働き方の未来シナリオを予測する。

 * * *
 お金のない大学生が立ち上げたフェイスブックが大成功したのは、タダ同然で使えるインターネットという“孵化器”があったからだ。ツイッターにしても同様である。

 しかし、AIはタダでは使えない。そのうえ、AIに入力する膨大なデータを集めるには金がかかる。データ量が多ければ多いほどAIは力を発揮するが、より多くのデータを集めるには、より多くの金が必要になる。

 そして、AIを駆動するには高性能なコンピューティング能力が欠かせない。これもまた金がかかる。

「インターネットは貧乏人のツールだったが、AIは金持ちのツールだ」──つまり、AIが使える金持ちは、AIを駆使してより金持ちになるが、AIに手が届かない貧乏人はより貧乏になる。これがAI時代の真相だ。

 そして、AIは単独でいきなり私たちの前にポンと出現するわけではない。社会の受け入れる力と綱引きをしながら浸透していく。利用する立場の企業経営者の都合もあるし、その中にはAIを導入すればすべての問題が解決できると過大評価して先走る社長もいる。

 一方の従業員たちは、仕事を奪われると考えればしたたかにAI化に抵抗する。

 この度上梓した『物語でわかるAI時代の仕事図鑑』は、多くの企業にAIが進出した2030年の日本を舞台にした未来小説になっている。登場する6人の職業人たちは高齢化、非正規雇用が増加した社会で、時にAIを利用し、時にはAIに振り回されながら、家族を支え懸命に生きようとドラマが展開していく──。

関連記事

トピックス

初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン