芸能

『義母と娘のブルース』 流れの妙と『家政婦のミタ』との共通点

「ぎぼむす」に『家政婦のミタ』との共通点が?(ドラマHPより)

 ドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)が人気だ。原作は桜沢鈴の同名4コマ漫画で、「笑える」が常である4コマ漫画の常識を覆し、「涙が止まらない」と評判だった。

 小学3年生のみゆき(横溝菜帆・10才)は父の良一(竹野内豊・47才)から新しいママとして、誰よりも仕事ができるキャリアウーマン、亜希子(綾瀬はるか・33才)を紹介される。

 最初は亜希子に拒否を示していたみゆきも、少しずつ心を開き3人は家族となっていく。しかし、亜希子と良一の結婚は契約結婚。スキルス性胃がんを患った良一が、この人になら娘を任せられるとプロポーズをしたのだった。さまざまなトラブルを乗り越えるうちに良一と亜希子は心を通わせるが、ほどなくして良一は他界する。

 ストーリーの魅力もさることながら、“人生訓”となるせりふが満載の本作。説教くささは感じず、ためになると評判だ。

 ポイントは、ロボットのように純粋で実直で打算のない綾瀬はるかの演技にある。テレビ評論家の吉田潮さんは話す。

「義母が実子ではない娘を育てるという設定だと、湿っぽくなりがちですが、キャリアウーマンでロボットみたいなヒロインだからどこか面白く、母は清く正しく美しくあれというメッセージのドラマにならない」

 ドラマに詳しいライターの西森路代さんは、竹野内豊演じる夫・良一のキャラクターもお説教ドラマにさせないポイントだと語る。

「亜希子がときおりビジネスルールにとらわれすぎて暴走しそうになるところがあるのですが、そんなときには、良一がやんわりと彼女をなだめるんです。そのときの柔らかい竹野内さんの演技が人間的で、亜希子とはまた違っていていいんですよね」

 本作の脚本は森下佳子さん。

『JIN-仁-』(2009年・TBS系)、『ごちそうさん』(2013年・NHK)、『おんな城主 直虎』(2017年・NHK)など、数々のヒットドラマを生み出してきた。

 吉田さんは森下さんの脚本に太鼓判を押す。

「オチのある4コマ漫画のエピソードを違和感なくドラマにはめ込むのには苦労したと思います。流れの妙はさすがです」

 テンポよく入るクスッと笑えるシーンは4コマ漫画ならでは。笑えるシーンが要所に盛り込まれているからこそ、格言が際立つという構図にもなっている。

 西森さんは森下さんの恩師ともいえる遊川和彦さん脚本のドラマの『家政婦のミタ』(2011年・日本テレビ系)との共通点についてこう話す。

「『ミタ』のヒロインもデフォルメされたキャラクターでした。キャラで引きつけ、せりふやストーリーできちんと見せる。両方ができているドラマは視聴率もよくなる傾向があります」

※女性セブン2018年9月13日号

関連記事

トピックス

バラエティー番組『孝太郎&ちさ子 プラチナファミリー 華麗なる一家をのぞき見』
コシノ三姉妹や石原4兄弟にも密着…テレ朝『プラチナファミリー』人気背景を山田美保子さんが分析「マダム世代の大好物をワンプレートにしたかのよう」
女性セブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン