内廷費と皇族費は似て非なるものだ。内廷皇族の日常的な食事に出てくる食材は、御料牧場から届けられるもので、代金は発生しない。だが、宮家が御料牧場の食材の利用を希望した場合、皇族費で購入しなければならない。
こうした、以前から言われてきた格差に、今後は変化が生じる。譲位を経て秋篠宮が皇嗣となるにあたって、秋篠宮に支出される皇族費は3倍の約9000万円になる。
「皇室経済法に、宮家皇族が摂政になった場合、皇族費は3倍にすると規定されています。恐らく、これに沿った決定でしょうが、秋篠宮殿下は天皇の代わりをする摂政ではなく、皇太子待遇。確かに皇位継承権をもつ男性皇族が2人いる家庭ですが、法律との整合性という点で疑問が残る」(皇室ジャーナリスト・山下晋司氏)
それだけではない。今上天皇が運用しているとされる金融資産の継承をめぐっても、問題がある。
「新天皇、皇嗣となる秋篠宮の2人とも相続資格者にあたる。兄が全部受け継ぐのか、それともご兄弟で分けるのかというデリケートな問題を孕んでいます」(皇室ジャーナリスト)
来年5月、天皇家の家計簿に大きな変化が訪れるのは、間違いない。
※週刊ポスト2018年9月21・28日号