また、これまで源平の戦場面や武勇伝などが中心になることが多かった『義経』で、舞や光の使い方などで独自の美しいシーンを作り出した演出家・黛りんたろうと滝沢は、NHK連続ドラマ『鼠、江戸を疾る』シリーズでもタッグを組む。
この作品については、このコラムでも取り上げたが、江戸の人気者、義賊の鼠小僧役の滝沢は、ポニーテールで顔の下半分を黒い布で覆い、ほとんど目だけしか見せない怪盗スタイル。わざわざ「隠す」ことで美形ぶりをアピールし、真夜中の屋根の上に月を背景にすらりと立ってみせるのだ。美しく撮りたい監督とそれに応える主役。こうした演出を肌で感じた経験が今後に活かされることは間違いない。そういえば、『鼠』シリーズには、レギュラーでジャニーズJr.の京本大我が出演。Hey!Say!JUMPの高木雄也がゲストになったこともある。
滝沢はこのシリーズで、傾斜もあり、滑りやすい屋根瓦の上を高速で走る技を会得している。引退後、この高速走り技も後輩に伝授するのか。演技の面での滝沢の「後継者」が早くも気になってくる。そして、ジャニー喜多川氏のようにマスコミに一切顔を出さない方針になるのか、演出家・プロデューサーとしてどんどんメディアに出てくるのか。滝沢の今後の露出方針も気になるところではある。