あまりに強烈な体験だったため、【目の前で人身事故があり、電車止まった。病院行けないどうしよう】と息子たちにメールした。

「するとすぐに次男から返信がありました。【そんな日もあるさ】。え? これだけ?(笑い) 【大変だったね】とかいたわりの言葉が返ってくると思っていたのに“ガクッ”ですよ。その瞬間に目覚めたんです。私は自分でつらさを“盛ってる”だけなんじゃないかって。勝手に悲劇のヒロインを気取ってるんじゃないよって感じですね(笑い)」

 張りつめていた心の糸がゆるんで、かえって気持ちが楽になった。

「苦しみや悩みを抱えて生きているのは、私だけじゃない。ほかの病気のかたも、地震などの災害に遭ったかたもそうでしょう。誰にでも時間は平等に与えられていると思うと、前を向いて24時間どう自分らしく時間を刻んでいくか、と考えられるようになったんです」

 とはいえ、自暴自棄になる日も。

「落ち込んでキッチンに立つと、鍋やお玉が凹むほど八つ当たりしてしまう。でも、不思議なもので、ひとりでいるときは抑えられるんです。息子たちがいるときの方が、何かあっても大丈夫かなと思って、爆発する(笑い)。息子たちは冷静ですから、それで救われるんです」

 3人の男子を持つ古村は現在、家を出た次男を除く長男、三男との3人暮らし。3人の子の父親で2009年に離婚した俳優・布施博に対しては、どのような思いでいるのか? それまで歯切れよく答えてきた彼女が、しばらくの間をおいた。

「布施さん…ねえ。子供たちの父親であることはまぎれもない事実ですけど…。今は直接話すこともありませんし。私からは、“元気でいてください”くらいですね」

※女性セブン2018年11月1日号

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