YouTuberとはタレントと異なり、自らの動画で常時話題を提供しなければならない。だから、ラファエルは誇大広告的なタイトルを付ける。

 現在、ラファエルはカジサックのYouTuber師匠役を担っている。よって「芸人引退」も反響と登録者数を稼ぐための仕組みとして受け取った方が良いだろう。刺激的な字面ではあるが、公約に意味はない。仮に達成されなかった場合にクレームをつけるのもお門違い。これがYouTuberとして正しき振る舞いなのだから。

 念のために言うが、別にカジサックを否定したいわけじゃない。こういったダーティーワークを実行するからこそ感じられる高い本気度。血統書を破り捨て、群雄割拠の狩場へ乱入した度胸にはリスペクトに値する。

 現在、カジサックは25本の動画を公開しており登録者数は約30万人。この登録者数は、今までにテレビ出演で積み上げた知名度によって得たものだろう。師匠ラファエルも語っていたが、YouTuberとは若い人向けのコンテンツである。約1年後までに登録者をさらに70万人増やすには、子供層の視聴者の開拓が必須だ。しかし、キングコングとは現在32歳の僕の世代にとってのスーパースター。若年層の知名度は低い。これからは動画の面白さだけで、支持を集めていく必要がある。

 また、YouTuberとは炎上&バズ、清濁合わせ飲んで生きるメンタル強めな人たち。NO NSTYLE石田明と共演した動画で「めちゃくちゃ打たれ弱い」と語るカジサックが、それに耐えられるかも心配だ。

 全てのスターはアウトサイダーから生まれてくる。今では当たり前となっているバンドメンバーによる作詞作曲もビートルズ以後、定着したスタイルだ。当時はスタンダードではなかった。

 今ではバラエティクイーンとして君臨するHKT48の指原莉乃、元々はAKB48のヘタレキャラだった。そして、M-1史上で最も輝いたサンドウィッチマン、彼らも弱小事務所の売れない芸人だった。

 一方、キングコングはよしもとで最も早く売れた芸人だ。明るいキャラクターで人気を集め、ど真ん中を歩んできた2人組。また、アウトサイダーに負けた芸人でもある。

 そんな梶原が芸人界のアウトサイダーとなりYouTuberに転身する。これは興味深い構図だと思った。

 梶原はテレビの自主規制を嘆く。しかし、現在公開されている全ての動画はテレビサイズに収まっていた。あれほど物申していたのに……。しかし、まだ始まったばかり「テレビでは1、YouTubeでは面白さの8~9が出せる!」と語ったカジサックの動画が今後どのように変化していくのか、すごく楽しみだ。

 最後に余談ではあるが、やはりカジサックのトークは他のYouTuberと比べると抜群にうまい。そもそも発声から違う。やっぱり長年舞台に出ている人ってすごいなぁと思った。

関連記事

トピックス

海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
政治資金の使途について藤田文武共同代表はどう答えるか(時事通信)
《政治資金で使われた赤坂キャバクラは新規60分4000円》維新・奥下議員が訪れたリーズナブルなキャバの店内は…? 「モダンな内装に個室もなく…」 コロナ5類引き下げ前のタイミング
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
神奈川県藤沢市宮原地区にモスクが建設されることが判明した(左の写真はサンプルです)
《イスラム教モスク建設で大騒動》荒れる神奈川県藤沢市 SNSでは「土葬もされる」と虚偽情報も拡散 市議会には多くの反対陳情が
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
いまだ“会食ゼロ”だという
「働いて働いて…」を地で行く高市早苗首相、首相就任後の生活は“寝ない”“食べない”“電話出ない” 食事や睡眠を削って猛勉強、激ヤセぶりに周囲は心配
女性セブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
逮捕された村上迦楼羅容疑者(時事通信フォト)
《闇バイト強盗事件・指示役の“素顔”》「不動産で儲かった」湾岸タワマンに住み、地下アイドルの推し活で浪費…“金髪巻き髪ギャル”に夢中
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年12月3日、撮影/JMPA)
《曾祖父母へご報告》グレーのロングドレスで参拝された愛子さま クローバーリーフカラー&Aラインシルエットのジャケットでフェミニンさも
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《約200枚の写真が一斉に》米・エプスタイン事件、未成年少女ら人身売買の“現場資料”を下院監視委員会が公開 「顧客リスト」開示に向けて前進か
NEWSポストセブン
指示役として逮捕された村上迦楼羅容疑者
「腹を蹴れ」「指を折れ」闇バイト主犯格逮捕で明るみに…首都圏18連続強盗事件の“恐怖の犯行実態”〈一回で儲かる仕事 あります〉TikTokフォロワー5万人の“20代主犯格”も
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《広瀬すずのぴったりレギンスも話題に》「アスレジャー」ファッション 世界的に流行でも「不適切」「不快感」とネガティブな反応をする人たちの心理
NEWSポストセブン