ふくだ:はい、私、下世話なゴシップは大好きなのでできるだけお話ししますね(笑)。実は、おじが美容室をしていて、いつも美容室に女性セブンも置いてあって、小学生のときから読むのが好きだったので…。
細野:『カメ止め!』の大ヒットのおかげで随分と生活が変わりましたよね?
ふくだ:はい。でも、実は、まさかの綱渡り状態だったんです(笑)。まず、自主制作的な映画なので撮影時にはお金が入らないんです。しかも、撮影期間は上田は他の仕事はできませんし、私も産休に入って、子どもを産んで、復帰するまではほんとにお金がなくて。
細野:あ、確かに収入源がないですね! 貯金はどのくらいありましたか?
ふくだ:それまでは2人で働いて少しずつ貯めていましたし、私の映画もいろんな賞をいただいたので。私ので一番もらった賞金が110万円というのもあって。
細野:なるほど、自主制作でも映画賞の賞金で家計のやりくりができたりもするんですね!
ふくだ:はい。けど、大体は多くて30万円とか10万円とかで。少ないところだと3万円とか。そういう映画祭の規模感によって、だいぶ差はあるんですけど、結構たくさん賞をいただいたので、その賞金でどうにか食いつないでいた時期はあります(笑)。
細野:食いつなぐっていう感覚なんですね。
ふくだ:そうですね。でも、ファミリー物件に引っ越したりとか、出産予約金とかで一気に20万とか払わなきゃいけない、とかで、あっという間に貯金が激減したんです。
細野:ふくださんもすぐに復帰できるわけでもないですよね…。
ふくだ:幸い、私は自宅のパソコンで作業できるので復帰は割と早めにはできたんです。でも、息子が1ヵ月半ぐらい早く生まれちゃったので、そのへんとかもまたちょっと計算がズレちゃったりとかもして…。で、あと、給料日まで1週間か2週間あるのに、親子3人で9000円しかないみたいなことになって(笑)。
細野:銀行にもないんですか。
ふくだ:ないです、ないです、0円です(笑)。
◆映画の歴史的なメガヒットで家計は激変…!?
細野:本当に映画のような話ですね(笑)。では、いよいよ『カメ止め!』が興行収入30億円を記録して、ふくださん一家の家計にはどのような変化が起こりましたか?
ふくだ:制作費の1000倍に増やせたので、我が家には1億円が入りました!とか言いたいのですが、実際には映画がヒットしても0円です。基本的に興行収入から監督への支払いはないんですよね。現実はみなさんが期待するほど夢のような話じゃないですよね(笑)。