ライフ

夢のPPKは「鎌田式かかと落とし」で遂げられる

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 高齢者が衰えるときは、足に顕著にあらわれると言われている。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師(70)が、みずからも実践している、骨密度が130%になったという「鎌田式かかと落とし」について、その効果と実践方法を解説する。

 * * *
 かかと落とし、といっても、格闘技の蹴り技のことではない。つま先立ちの姿勢から、かかとをストンと落とすだけ。この地味すぎる運動が今、健康寿命を伸ばす可能性があるとして注目されている。

 元々、かかと落としは骨粗しょう症の予防にいいといわれてきた。かかとをストンと落としたときの刺激が、骨を再生する骨芽細胞に刺激を与え、強い骨をつくり、骨密度を改善してくれる。

 ぼくはスキーが大好き。一生滑り続けたいと思い、下半身の筋力を鍛え始めた。ジムでマシントレーニングやスクワットなどをしているが、骨密度が130%になったのは、かかと落としのおかげではないか、と自分では思っている。

 そんなかかと落としだが、骨粗しょう症予防以外にも、血糖値が下がるといううれしい効果がわかってきた。骨芽細胞が刺激されると、オステオカルシンという骨ホルモンが分泌され、膵臓に働いて、血糖値を下げるというしくみだ。

 血糖値を下げるということは、とても大事なポイントである。まずは、糖尿病の予防や改善になる。それだけではない。血糖値を適正に下げることは、慢性炎症を起こしにくくするというメリットがあるのだ。

 慢性炎症とは、老化にかかわる病気の基盤にある状態のこと。動脈硬化も、認知症も、細胞のがん化も、慢性炎症が引き金になるといわれている。

 コロンビア大学のジェラール・カーセンティー教授は、オステオカルシンは健康寿命を伸ばすと言っているが、血糖値をコントロールして、いかに慢性炎症を低く抑えるかが健康寿命を伸ばすポイントになるといえるだろう。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン