さらに、オステオカルシンは、アディポネクチンという物質を分泌することがわかってきた。アディポネクチンの分泌が増えれば、メタボを予防、改善し、高血圧や糖尿病、動脈硬化などの改善にもつながる。
内臓脂肪が増えると、アディポネクチンの分泌が減るので、メタボが気になる読者は、ぜひ、かかと落としをやってみてほしい。
かかと落としは、ふくらはぎの筋肉を動かすが、これにもいい効果が期待できる。下肢の筋肉は「第二の心臓」といわれるように、足の血流を心臓に戻すのを助けている。そのため、ふくらはぎの筋肉を動かすと、心不全の予防にもなる。
高齢化に伴い、心不全の患者が爆発的に増加する、いわゆる「心不全パンデミック」が予測されているが、一人ひとりが予防を心がけることはとても大切だ。
ふくらはぎの筋肉を動かすと、末梢血管の循環もよくなる。末梢血管の循環が悪いと、毛細血管に血液が流れなくなるゴースト血管現象が起きてしまう。ゴースト血管は骨粗しょう症のリスクを高め、脳で起これば認知症のリスクも高めてしまう。かかと落としはこのゴースト血管現象を解消してくれる可能性がある。
◆かかと落とし、4つのステップ
今、日本には高血圧が1000万人、糖尿病は予備軍を含めて2200万人、認知症は予備軍を含めて840万人、脳血管疾患が120万人いるといわれている。かかと落としのもたらす効果は、これらの病気を広くカバーしていると考えられる。
と、ここまで、かかと落としのうれしい効果の数々を知っていただいたところで、鎌田式かかと落としのやり方を紹介しよう。