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夢のPPKは「鎌田式かかと落とし」で遂げられる

 筋肉の強化は、テストステロンという男性ホルモンも活性化してくれる。テストステロンは年齢とともに減少していくが、筋肉を強化することで分泌量が復活することがあるのだ。

 男性の更年期障害はこれまで見過ごされやすく、うつ病などと間違われることもあった。しかし、筋肉を強化してテストステロンを増やすことで、男性更年期障害は改善につながる。更年期障害ではなくても、テストステロンの影響で、チャレンジ精神が増す可能性がある。体の健康だけでなく、気持ちの上でも若々しさがみなぎってくるということだ。

 かかと落としは、だれでも、いつでも簡単にできる運動だ。テレビを見ながらやってもいい。座りっぱなしの生活は、抗重力筋が刺激されないため、死亡リスクが40%上がるが、1時間に2分立ち上がって軽く体を動かすといいという論文もある。デスクワークの人やドライバーは、ときどき立ち上がって、やってみてほしい。仕事中のリフレッシュタイムにやるのも、グッドアイデアだと思う。

 昔から多くの人が、最後までピンピン生きて、長患いしない「ピンピン、コロリ」にあこがれてきた。それは、神頼みの信仰でもあった。

 現在は、予防医学の研究が進み、PPKを実現するために、具体的な策が少しずつわかってきた。人生100年時代を謳歌するためにも、神頼みをするだけでなく、まずはかかと落としから始めてみてはどうだろうか。

●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。著書に『人間の値打ち』『忖度バカ』など多数。

※週刊ポスト2018年12月7日号

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