芸能

2019年の新ドラマはおっさんブーム! 中年俳優が引っ張りだこ

おっさん界のスター、遠藤憲一

 2019年はいったいどんなドラマが流行するのか――注目のキーワードは「おっさん」だという。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * * 
 2019年、どんな1年になるか、さまざまな予想がなされているが、1月スタートの新ドラマを見てびっくり。空前のおっさんブームが来ているではありませんか!!
 
 たとえば高畑充希主演の『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)は、新米女性刑事牧野ひより(高畑)が、シェアハウスに暮らす退職した元刑事のおっさんたち(近藤正臣、小日向文世、野口五郎、角野卓造、西島秀俊)に助けられ、事件に立ち向かうというストーリー。キャッチフレーズは「わたしの相棒は、ワザあり、クセあり、持病あり」である。
 
 現役おっさん刑事が頑張るのが、『記憶捜査~新宿東署事件ファイル』(テレビ東京系)の北大路欣也と『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の沢村一樹。北大路はある事件がきっかけで車いす生活だが、抜群の記憶力で事件を推理し、若手刑事(風間俊介)らを動かしていく。一方、『刑事ゼロ』の沢村は、なんと記憶喪失のおっさん。記憶力抜群VS記憶喪失。正反対だが、北大路の共演には宅麻伸、勝野洋、沢村の共演には武田鉄矢、寺島進、渡辺いっけいと、どちらのドラマもおっさん濃度が高いのは共通している。

 さらに『バイプレイャーズ~もしも名脇役5人がテレ東朝ドラで無人島生活したら』(テレビ東京系)などでもいい味を出していた光石研が主演する『デザイナー 渋井直人の休日』(テレビ東京系)がスタート。常に何かが始まる予感がしているおっさんを描くという。いったい何が始まるんでしょうか? ここにも岩松了、杉本哲太など気になるおっさんキャストが。

 そして、この冬、大車輪の活躍を見せるおっさんが、遠藤憲一だ。2018年も『ドロ刑-警視庁捜査三課』など多数のドラマに出演、ゲストで出た『嵐にしやがれ』などでは客席の女の子たちからキャーキャー言われる。おっさんスターの代表格だが、新年は『私のおじさん―WATAOJI』(テレビ朝日系)では、無理無体な仕事を振られ涙目の新人AD女子(岡田結実)の前に突然現れた、毒舌おっさん妖精(!)。

 かと思えば、『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)では、役者を引退してさすらいの温泉仲居男となり、各地の名湯で湯けむり美女と出会う。なんでもできちゃうんですね…。
 
 こうしたおっさんドラマブームの背景には、『バイプレイヤーズ』や『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の成功がある。特に『おっさんずラブ』は、美男美女が織りなす若い世代向けのラブコメに手詰まり感が出てきた中で、突如出てきたおっさんの純愛物語。新鮮かつ感動的だった。

 ベテランたちは、キャリアもあり、シリアスからコメディまで演技の幅は広い。こわもての印象がガラリとお茶目に変わる意外性もあって、キャラクターも奥深い。おっさん俳優に任せておけば大丈夫! 

 そんな空気も感じる新年だが、ひとつ心配なのは、あまりにおっさん俳優が出過ぎではないかということ。水面下でキャストの奪い合いがあったのではと思うほどだ。おっさんは一日して成らず。新たなおっさんキャラはすぐには出てこない。「同じような顔ぶれ」と思われない配慮は必定だ。NHK大河ドラマ『いだてん』もかなりおっさん率高し。おっさんドラマブームはどこまで続く? 2019年ドラマの注目点のひとつになるのかも。

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン