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秋篠宮による問題提起、一世一元の制を巡る政権と皇室の対立

佐藤優氏(左)と片山杜秀氏(写真:小倉雄一郎)

佐藤:その文脈で言えば、明治憲法で定めた一世一元の制を維持したい政権と、それに反発する皇室の対立とみると分かりやすい。

片山:明治維新から続く流れというわけですね。言われてみれば官邸の発想は長州的だと言えます。

佐藤:そうです。安倍首相も、政権を支持する日本会議を結成した小田村寅二郎、小田村四郎兄弟も長州(山口県)にルーツがありますから。

片山:長州は、明治維新で天皇を王として担いだ。しかし山県有朋も伊藤博文も王は何も言わずに、ただ担がれていればいいという態度を貫いた。国民を畏怖させる物言わぬ神として、ただそこにいてもらって、あとは自分たちがうまくやると。そして現政権は物言わぬ天皇をいただき、憲法改正が実現すれば、明治国家に戻れると考えている。

◆さとう・まさる/1960年生まれ。1985年、同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。主な著書に『国家の罠』『自壊する帝国』など。片山杜秀氏との本誌対談をまとめた『平成史』が発売中。

◆かたやま・もりひで/1963年生まれ。慶應大学法学部教授。思想史研究者。慶應大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。『未完のファシズム』で司馬遼太郎賞受賞。近著に『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』。

※SAPIO2019年1・2月号

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