福田はPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)やPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)政策の専門家として、野村総研から国交省の成長戦略会議に初めて出席した。それが2009年12月14日の第5回会議だ。と同時に、大阪府知事だった橋下徹も会議に招かれ、関空のLCC(格安航空)拠点化やインバウンド政策について、話し合っている。

 以来、前原と竹中の後押しを得た福田は成長戦略会議だけでなく、内閣府のPFI推進委員会にも参加するようになる。公共施設の建設から維持管理まで民間に任せるPFIそのものは1999年から導入されていたが、なかなか定着しなかった。そこで福田は、PFI法の改正を働きかけていく。

 そして2011年5月、法改正により政府や自治体が施設を所有したまま公共事業の運営を任せる新たなコンセッションの導入が可能になる。民主党では、鳩山から菅直人に政権が移り、前原は国交大臣から外務大臣に横滑りしたが、コンセッションには肩入れした。

◆震災で民営化が加速

 折しもこの年の3月11日、東日本大震災が東北一円を襲った。宮城県では津波が仙台空港に到達し、滑走路の航空機が流されていく衝撃的な場面がニュースで流れた。菅内閣は空港再建のため、関空に続く仙台空港の民営化に乗り出した。

 ちなみに、水道コンセッションは、空港より遅れて計画された感があるが、実は同時に進んでいたという。

「水道コンセッションもここから始まっています。東日本大震災が起きた直後の2011年5月、私は福田さんと仙台に行って村井(嘉浩)知事とお話をしました。このとき仙台空港の民営化だけじゃなく、水道も提案したのです」

 前原がこう振り返った。

関連記事

トピックス

アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
TikTokをはじめとしたSNSで生まれた「横揺れダンス」が流行中(TikTokより/右の写真はサンプルです)
「『外でやるな』と怒ったらマンションでドタバタ…」“横揺れダンス”ブームに小学校教員と保護者が本音《ピチピチパンツで飛び跳ねる》
NEWSポストセブン
復帰会見をおこなった美川憲一
《車イス姿でリハビリに励み…》歌手・美川憲一、直近で個人事務所の役員に招き入れていた「2人の男性」復帰会見で“終活”にも言及して
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
公設秘書給与ピンハネ疑惑の維新・遠藤敬首相補佐官に“新たな疑惑” 秘書の実家の飲食店で「政治資金会食」、高額な上納寄附の“ご褒美”か
週刊ポスト
複座型ステルス戦闘機J-20 米国のF-35に対抗するために開発された。第5世代ステルス戦闘機(写真=Xinhua/ABACA/共同通信イメージズ)
【中国人民解放軍「最新兵器」】台湾侵攻や海上封鎖を想定した軍事演習も 就役直後の最新空母、ステルス戦闘機から“犬型ロボット”まで、性能を詳細に分析
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相の「官僚不信」と霞が関の警戒 総務大臣時代の次官更迭での「キツネ憑きのようで怖かった」の逸話から囁かれる懸念
週刊ポスト
喫煙所が撤去されてホッとしていたのだが(写真提供/イメージマート)
《規制強化の動き》加熱式タバコユーザーのマナー問題 注意しても「におわないからいいじゃん」と開き直る人、タクシー車内で喫煙する人も
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン
現在は三児の母となり、昨年、8年ぶりに芸能活動に本格復帰した加藤あい
《現在は3児の母》加藤あいが振り返る「めまぐるしかった」CM女王時代 海外生活を経験して気付いた日本の魅力「子育てしやすい良い国です」ようやく手に入れた“心の余裕”
週刊ポスト
上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン