国内

橋下氏、東国原氏、竹中氏らがブレーンとして重用した謎の男

その男は、竹中氏の右腕だった(時事通信フォト)

 通常国会の召集を前に、置き去りにされた議論がある。「水道と空港の民営化は本当に安全なのか」という問題だ。昨年9月に発生した関西空港のタンカー事故と、12月に成立し物議を醸した水道民営化法案は、民間企業に運営を任せる「コンセッション」という言葉と、ひとりの仕掛け人の存在で繋がっていた。それはどのように生み出されたのか。ノンフィクション作家・森功氏が知られざる経緯を辿る。(文中敬称略)

◆元大臣の告白

「コンセッションについては、検証が必要だとは思っています。たとえばインバウンドが右肩上がりで増えているような状況において、空港がうまくいく余地はある。しかし、需要が落ちる事業、市場が縮小していくものについては、果たして半永久的にコンセッションが可能かどうか。そこは慎重に検討しなければなりません。水道などはその一つかもしれません」

 国土交通大臣を務めた前原誠司(国民民主党)がそう語る。10年前の民主党政権時代、従来の公共事業の民間化を取り入れようとしてきたのが、ほかならない前原である。その前原でさえ、今ではコンセッションに異議を唱えている。

 前原が国交大臣として取り組んだ一つが、政府の管理する新関西国際空港の民営化だ。のちにそれが実を結び、仏の空港運営会社「ヴァンシ・エアポート」と日本のオリックスが40%ずつ株を出資してつくった「関西エアポート」が、関空および大阪国際空港(伊丹空港)の運営権を買い取った。そうして2016年4月、空港コンセッションの本格的な第一号として鳴り物入りでスタートしたのである。

 その空港コンセッション第一号の迷走ぶりは、前号(週刊ポスト2019年1月18・25日号)で書いた通りだ。昨年9月の台風21号の上陸で、滑走路が水浸しになってパニックに陥る。急きょ、首相補佐官の和泉洋人や国交省が乗り出して空港の復旧にこぎ着けたものの、企業統治(ガバナンス)の欠如や災害時の対応の拙さをモロに露呈した。昨年の事態について前原に尋ねた。

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン