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2019.01.26 07:00  週刊ポスト

イラクの焼け跡に咲くたんぽぽが希望を託される理由

 一方で、希望もある。

 サマーフさんは、モスルの医科大学に通っている医学生だった。ヤジディ教徒だったため、ISから必死で逃げた。ISに捕まり、自殺をした同級生がいるなかで、逃げることができたのはまだマシだった。でも、すべてのお金を奪われ、医学を学ぶこともできなくなった彼女は、難民キャンプで希望を失っていた。

 そのとき、ぼくは、クルド自治区の別の医科大に合格したら、支援する約束をした。ぼくが代表をしているNPOが募金活動をして、学費を応援した。そして、いま、サマーフさんは、研修医として着実に歩みだしている。

 ISの拠点ラッカが陥落して1年以上。戦乱の傷跡は深いが、復興に向けた息吹も感じる。

 ISが撤退するときに火を放っていったモスルの病院は、焼け焦げ、弾丸とガレキが散乱している。その病院の庭に、たんぽぽが咲いていた。

 JIM-NETでは2006年から毎年、チョコ募金を行なっている。今年のテーマは「戦場のたんぽぽ」。焼け跡に咲くたんぽぽが綿毛を飛ばすように、平和の種が子どもたちに届くよう、願いを込めた。

 今年は、アルビルの小児がんセンターの敷地内に建設中のJIM-NETハウスが、いよいよ完成する。遠方から治療を受けに来た子どもと、付き添いの親たちが宿泊でき、安心して治療を継続できるようにしたいと考えている。

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