「福田氏は補佐官としてフランスに都合3回出張していますが、視察先の中心がスエズの施設です。そのスエズは、彼が師と仰ぐコンサルタントのFさんをアジアアドバイザーとして押し込んでいる。Fさんは野村證券から米ゴールドマンサックス、豪マッコーリーグループと証券、投資銀行を渡り歩いてきた国際金融マンですけど、福田氏を可愛がっていましてね。
福田氏はFさんがマッコーリーを辞めたあと、彼を新日本有限責任監査法人に引き入れ、コンセッションの相談をしていました。で、福田氏が新日本を辞めたあと、Fさんはスエズのアジアアドバイザーになった。スエズにとっても、Fさんは官房長官補佐官とつながっているから、使い道がありますからね」
官房長官の菅の下、竹中、福田、Fというラインでさまざまなコンセッション事業を進めてきたという。
◆官房長官のビデオメッセージ
もとより彼らの進めるコンセッションは水道だけではない。先の文書にはこうも記されていた。
〈福田が手を出しているのは静岡と北海道(の空港)。北海道は7空港一体で、PFIを活用しようとしている〉
数ある空港コンセッションのなか、福田たちが目玉と位置付けるのが、北海道7空港をいっぺんに民営化する計画である。前出の政府関係者はこうこぼす。
「進行中の北海道7空港のコンセッションについて、国交省案ではもともと新千歳、釧路、函館、稚内の国管理4空港にとどまっていました。地方自治体所管の空港だと議会の賛成を得なければならないので、やりにくい。だからまず国管理空港をプラットフォームとし、あとからそこに加えればいい、という計画でした。
ところが、福田氏はそこへ帯広や旭川を入れろと言い出した。福田氏は帯広市などと仕事をしていて仲がいい。道内の広域観光ルートづくりという旗印を掲げる菅官房長官の意向だとし、7空港のコンセッションをぶち上げたのです。国交省にとっては抵抗がありましたけど、官房長官を持ち出されるとどうしようもありませんからね」