〈もともと福田氏とヴェオリアは接点があったようで、某マーケット関係会社に聞くと、かなりべったりとのこと。下水道のコンセッションの第1号は浜松町(注=浜松市)の案件なのですが、3月にヴェオリアを中心としたコンソーシアム(事業連合)に決まりました〉

 道路や空港、水道など社会資本整備のための公共施設の財産価値をインフラ資産と呼ぶ。その中で利用収入を伴う日本のインフラ資産は185兆円とされ、うち水道資産は120兆円と突出している。下水道が80兆円、上水道が40兆円だ。

 水メジャーにとって120兆円のインフラ資産のある日本の水道市場は、まさに垂涎の的といえる。民営化される日本の水道市場に舌なめずりする世界の水メジャーにとって、キーマンへの歓待などは安い御用に違いない。未来投資会議などを通じ、水道コンセッションを進めたのが、竹中・福田ラインなのは、念を押すまでもない。いったい何が起きているのか。

◆浜松市の皮算用

「PFI(民間資金等活用)法が改正され、国交省では自治体との勉強会を2015年10月から始めました。そこで浜松でコンセッションを導入する話があがりました。市町村合併により複数の市町村にわたった汚水を集める流域下水道について、浜松市という大きな市が管理することになり、その中でコンセッションはどうかという話になったのだと認識しています」

 日本初の下水道コンセッションを導入した静岡県浜松市について、国交省下水道企画課企画専門官の岸田秀は表向きの経緯をそう説明する。半面、コンセッションに携わった政府関係者は、以下のように打ち明けた。

「浜松市の鈴木康友市長は元民主党代議士だけど、衆院時代から菅官房長官と親しかった。3選目の2015年4月の浜松市長選では、自民が対抗馬の候補を立てず、それどころか官房長官自ら応援演説に駆け付けたほど。下水道コンセッション計画が二人の間で水面下の話として進んでいてもおかしくない」

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