◆ボルドー、バルセロナ、カンヌ
手元にあるその文書はA4判用紙の10枚つづり。写真付きの福田の履歴書や竹中と福田の関係を記したチャート図、新聞報道のコピー、さらには補佐官任命時の復命書のような書面もある。そこには関係当事者しか知りえないようなことが記されている。まるで内部告発だ。その肝心の文書の中身については、これまでほとんど報じられていないので、改めて気になる箇所を抜粋する。
とりわけ問題視されているのが、福田の補佐官就任1年後に関係者を引き連れて向かった2017年6月の欧州水道視察である。その【日程概要】としてこうある。
〈6月11日(日):羽田空港→シャルルドゴール空港着→パリ泊
6月13日(火):ボルドーへ移動→ボルドーの上水・下水処理施設視察→ボルドー泊
6月16日(金):カンヌへ移動→カンヌの上水施設視察→スエズ社とのミーティング→カンヌ泊〉
6月20日まで10日出張の模様が記されているが、いずれも内閣府の出張記録と符合する。
〈ボルドー、バルセロナ、カンヌと完全にお遊びですね……こんなひどい出張久々に見ました〉
文書には同行官僚たちによる福田の“取扱説明書”と思しきものまであった。
〈中華料理やアジア料理が好き。フランス出張の際は朝食に甘いものを食べる習慣(朝食にクロワッサンしかない)ことに苦しんでいた〉
〈補佐官室にポテトチップスを常備されている。菓子は全般的に好き〉
文書の焦点は、視察先の「スエズ」や「ヴェオリア」といった仏水メジャーとの怪しげな関係だろう。次のような記載もある。