結果、帯広、旭川、女満別などを加え、北海道全域13空港の半分以上の民営化を目指すことになる。そうしてスタートした北海道7空港のコンセッションだが、その実、関空のときと同じく、具体的な計画は福田ではなく国交省が作成していったという。

◆企業のいいとこどり

「菅官房長官は特に民営化への興味はなく、観光が活性化すればいい。福田氏はそのあたりに食い込んでコンセッションの主導権を握ろうとしたのでしょうけど、現実的な計画作りは役人任せ。それでいて自分がやったとアピールするため、道内のシンポジウムを催したり、そこに官房長官のビデオメッセージを流したり。官房長官の言う広域観光ルートづくりの一環だといい、総理のご意向ではないけど、“官房長官のご意向”という形で主導権を握っていったのです」(同前)

 国交省では2016年中に7空港のコンセッション計画案を作成。ところが、そこへ竹中・福田ラインの横やりが入ったという。先の政府関係者が苦笑いした。

「あとはコンセッション事業者を募ればいい、という段階にまで来ていました。政府のアドバイザー企業には関空を手掛けた新日本監査法人が決まっていたのですが、福田氏は自分が辞めたあと、特定の監査法人ばかりがやるのはおかしい、などと言い出し、そこから振り出しに戻ってしまった。そうこうしているうち、竹中さんが未来投資会議で5原則のコンセッション方針を打ち出してきたのです。通称、竹中5原則と呼ばれ、これにより計画が1年近く遅れました」

 それが2017年2月19日の未来投資会議構造改革徹底推進会合。竹中の提案した5原則をわかりやすくいえば「7空港一体の枠組みの共有」「公平な入札」「提案や要求水準を遵守しない場合の契約解除」「民間の経営力と統合効果による成長」「管理者による出資の原則禁止」だ。それらは、さほど珍しい提言でもない。

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