なのに、自分で苦しい道を選択している……俗世を捨てて山ごもりに入る、修行僧の発想だ。お金や生活に支配されて生きている人は、私からすれば逆の意味でストイックに思えてしまう。どうして自ら、辛く苦しい、何も生みださない道を行こうとするのだろう?
生活の糧を得るために働いているという意識の人は、たしかにAIやロボットの進出を脅威だと考えてしまうかもしれない。テクノロジーの輝かしい能力に目を向けず、気になるのはいまの環境を奪われる不安ばかりで、自分が社会から追いやられる恐怖にビクビクしている。
あなたが、もしそう感じているとしたら……はっきり言おう。あなたが好きなのは、お金ではない。潤沢な糧で得られる、安定した生活でもない。不安だ。不安になるのが、好きなだけなのだ。ある意味で「不安好き」の自己洗脳にかかってしまっている。だから「あなたは何のために、働いているのですか?」の問いの本質に、気がつけない。
声を大にして、改めて伝えたい。僕たちはもう働かなくていい。嫌な仕事、面倒なことはしなくていい。これからの時代、生き残れるのは、安定した仕事を与えられた人でも、お金持ちでもない。働かなくてもいい世界で、なおモチベーションを持ち、何かの行動を起こせる人が、生き残れるのだ。
※堀江貴文・著/『僕たちはもう働かなくていい』より