超人気アナウンサーだった小林麻耶さんではあるが、番組のメイン視聴者であるF3(50才以上の女性)からウケなかったのだ。当時、同局の局員や出演者らが、「女性も、リタイアしたオジサンたちも、三雲孝江さんが好きで見ていたのに、それを麻耶ちゃんに替えるとは冒険が過ぎる」などと言っていたのを思い出す。政治家にインタビューしたり、取材に出たりもしていたのだが、彼女には荷が重すぎたということなのか。そしてスタジオでも空回りする場面が多かったのである。
◇ファッション、“笑顔”など課題は山ほどある
カトパンは、局アナ時代、『めざましテレビ』のメインを務め、高視聴率を稼いでいたけれど、歴代の八木亜希子アナはもちろん、小島奈津子アナや木佐彩子アナ、高島彩アナららと比較して、カトパンが「ちょっと違う」のは、女性視聴者ならわかるだろう。そう、カトパンは、例の先輩女子アナの中では、僅かではあるが、女性人気が低め。彼女自身、入社試験のときから「コンプレックス」だったという音大出身というのもまた不安要素だ。
まだ、共演者が発表されていないが、まず必要なのは、女性に好感度が高く、コメント能力に優れた“おじさん”の起用。そして、同じく女性に人気の女子アナや気象予報士の起用だろう。
「ニュースキャスター」だというなら、ファッションやヘアメイクにも気を使わなければならない。報道局制作の番組では、バラエティー番組や音楽番組のように華やかな衣装は着られないし、カトパンの衣装で比較的多いと感じる“ノースリーブ”もNGだ。
これで思い出されるのは、『あさチャン』(TBS系)開始当初の夏目三久である。早朝の報道番組なのに、モード系ファッションにベリーショートだった夏目アナ。特にストッキングではなくソックスを履いて出てきたときは、“個性”だと受け入れる人はとても少なく、特にオバサン視聴者からは敬遠された。果たして、いまの彼女は、コンサバに近い女性キャスターファッションだ。
続いては“カトパン・スマイル”。担当してきた番組の特性も関係しているが、彼女は笑顔の比率がとても高い女子アナだ。が、それもニュース番組では控え目にしなくてはならないだろうし、何より、ニュースキャスターを名乗るなら、笑顔でリアクションするよりも先に自分の意見をその都度、述べることが必要になってくる。
実は、“局アナあがり”のキャスターが、もっとも不得手としているのがこれなのである。
アナウンサー時代は、極力、自分の意見を控えるように指導されているため、フリーになっても、バラエティー番組でさえ自分の意見を自由に発表できないアナをこれまで何人も見てきた。
一見、なんでもオープンに話せそうに見えるタイプの女子アナでさえ、いざ、自分が話す段になると、質問者に“質問返し”をしてしまったり、驚くほどフツーの意見に終始してしまったりするのだ。
そして気が付くと、司会者でもないのに司会者になってしまっている。つまり、ゲストなのに、仕切り始めてしまうのである。いわゆる“裏まわし”ならまだいいが、メインと同様のポジションになりがちな人が多い。