国内

美智子さまと交流、大河ドラマ等衣装考証・小泉清子さんの秘話

美智子さまは素朴な野の花柄を好まれる(時事通信フォト)

 1984年の『山河燃ゆ』から始まり、渡辺謙(59才)の『独眼竜政宗』、宮崎あおい(33才)の『篤姫』など30作品近い大河ドラマの衣装考証を担当。原節子さん(享年95)、岩下志麻(78才)、宮沢りえ(45才)など多くの芸能人に愛されてきた着物デザイナーがいる。呉服店「鈴乃屋」名誉会長の小泉清子さんだ。

 その小泉さんが2月17日、老衰のためこの世を去った。ちょうど100才での大往生だった。

 ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)で衣装協力し、橋田壽賀子さん(93才)とも親交が深かった。その橋田さんはかつて小泉さんのことを、「“おしん”以上に劇的な人生」と語っている。小泉さんは1918年、東京生まれ。幼い頃から着物に親しんでいた。

「結婚して間もなく夫が出征。2人の幼子を抱えて大変な中、終戦後の焼け野原でもんぺ姿の女性たちが真っ黒になって働いているのを見て、大変ショックを受けたそうです。“かつての美しい着物姿を取り戻さなければ”という思いから、1947年、東京・上野に呉服店『鈴乃屋』を創業した。夫の戦死を知ったのは、その翌年のことだったといいます。当時は女性の経営者なんてほとんどいませんから、“女は信用ならん”と言われて、ずいぶん苦労したそうですよ」(ファッション関係者)

 小泉さんは経営センスとデザイン力で着物を創作し、客足を伸ばした。原節子さんが店を訪れた時には店の前が黒山の人だかりで、警察官が整理に当たるほどだったという逸話もある。

 2人の子供を育てながら「鈴乃屋」を全国チェーンに拡大させた小泉さん。そのかたわら、大河ドラマをはじめとする衣装考証を数多く手がけ、芸能界を裏で支えてきたので、親交の厚い芸能人は数多い。

 そんな小泉さんが、生涯をかけて熱心に取り組んだのが、美智子さまのご衣装作りだ。小泉さんと美智子さまの交流のきっかけとなったのは1963年、軽井沢で催した鈴乃屋の展示会に、美智子さまの女官が訪れたことだった。

「急に訪れた女官は“美智子妃殿下がご覧になります”と言って、何枚か着物を持ち帰ったそうです。美智子さまは大変気に入られたそうで、小泉さんは東宮御所に呼ばれ、ご交流が始まりました。図案を描いて提案し、お返事をいただいたら着物を作る。美智子さま自ら“このようにしたらいかがですか”とお話しされることもあったそうです。美智子さまは小泉さんのセンスに大変信頼を置かれていて、着物を洗っては色を変えたりされて、大切にお召しになっています」(小泉さんの知人)

関連記事

トピックス

中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト
苦境に立たされているフジの清水賢治社長(左/時事通信フォト)、書類送検された山本賢太アナ(右=フジホームページより)
“オンカジ汚染”のフジテレビに迫る2つの危機 芋づる式に社員が摘発の懸念、モノ言う株主からさらに“ガバナンス不全”追及も
週刊ポスト
二刀流復活・大谷翔平の「理想のフォーム」は?(時事通信フォト)
二刀流復活・大谷翔平の「理想のフォーム」は?「エンゼルス時代のようなセットポジションからのショートアームが技術的にはベター」とメジャー中継解説者・前田幸長氏
NEWSポストセブン
24時間テレビの募金を不正に着服した日本海テレビ社員の公判が行われた
「募金額をコントロールしたかった」24時間テレビ・チャリティー募金着服男の“身勝手すぎる言い分”「上司に怒られるのも嫌で…」【第2回公判】
NEWSポストセブン
妻とは2015年に結婚した国分太一
「“俺はイジる側” “キツいイジリは愛情の裏返し”という意識を感じた」テレビ局関係者が証言する国分太一の「感覚」
NEWSポストセブン
衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一
【スタッフ証言】「DASH村で『やっとだよ』と…」収録現場で目撃した国分太一の意外な側面と、城島・松岡との微妙な関係「“みてみぬふり”をしていたのでは…」《TOKIOが即解散に至った「4年間の積み重ね」》
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO
《国民に愛された『TOKIO』解散》現場騒然の「山口達也ブチギレ事件」、長瀬智也「ヤラセだらけの世界」意味深投稿が示唆する“メンバーの本当の関係”
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居正広と元フジ女性アナの「メール」全面公開ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居正広と元フジ女性アナの「メール」全面公開ほか
NEWSポストセブン