実は、この涙のスピーチの前に、元教師の刑事を演じた椎名桔平(54才)が菅田の涙腺を緩める、感動のスピーチをしていた。椎名が語ったのは“自分は『3年A組』によって救われた”という意外な話だった。
「このドラマが始まって2話か3話かな、母親が亡くなりましてね。田舎に帰って、そのまま翌日からドラマの撮影だったんですけど、まぁ非常に悲しくて。そういう時にこのドラマの持っている、本当に若くて、無垢に芝居に向かっていく気持ちみたいなものが、自分を勇気づけてくれたんです。
現場に行ったら先輩もいるし、仲よしもいるし、自分もやらなければいけない役がある。そういうところで毎日毎日過ごすことができた。そういう『3年A組』というドラマに感謝しているし…あとは、菅田!」
声を張り上げ、主人公を見ながら、話を続けた。
「今回、菅田はだんだんやせていく必要のある役だった。そういう菅田の芝居を見ながら、なんというのかな、主役を支えなきゃなと。そういう菅田を見ながら、プロデューサーに『お前、やせたな』というせりふを足していいかと聞いて、言わせてもらったんです」
と、菅田との共演シーンの秘話を明かした。
菅田は目を赤くする。そんな菅田と椎名を、会場中の大きな拍手が包み込んだ。
最終回のラストシーン、永野が演じる茅野さくらは「先生の願いが誰かに伝わっていればいいな」と口にした。きっとこの日の2人の言葉は、生徒たちの心に強く響いたに違いない。
※女性セブン2019年3月28日・4月4日号