「うちに来られる患者は透析治療で本当に辛い思いをしている。腎臓移植の生着率はかなり高くなって、透析から救われる人がごっつう出てきた。しかし、移植はさっぱり増えんわけだ。なぜかというと、透析治療で儲けている医者が多いこと。仮に、移植手術をして患者が透析から逃げていったら、痛手になるんですわ。透析患者に使われる医療予算は莫大。国も自治体ももう少し本気になって移植を広げる時期に来ているはずなのに、遅々として進まん。透析を受けている患者の日常を知れば、『病気腎移植をやめろ』とはいえない」(本誌・週刊ポスト2006年12月1日号のインタビュー要約)

“患者のためによかれと考えた行為”で批判を浴びたという点で、福生病院の外科医は当時の万波氏と似た立場に置かれている。

 いまも宇和島徳洲会病院で腎臓病の治療にあたっている万波医師は、今回の問題をどう見ているのか。3月13日、本誌は腎移植手術を終えた直後の万波氏に話を聞いた。

「複雑な経過もあるから、第三者が軽々しく言うことはできないが、私は、福生病院の医師の判断は当然だと思います。透析が嫌な患者はいくらでもいる。なんでもかんでも透析をするというのはおかしい。患者の意思を尊重して、透析をやめたい人はやめる。強制する必要はないと思う」

 人工透析は患者への負担が重い。週3回、1回3~5時間ベッドに寝かされ、太い注射による血管痛や頭痛などの苦痛もある。心不全や感染症のリスクも高いとされている。

「透析は人間の体にとっていいものではない。しんどい。人間らしく生きるためには、腎臓移植の方がいいが、ドナーが少ないから最初から諦めている人が多い。患者はみんなできるなら透析はやりたくないが、死ぬよりは透析の方がいい。他に選択肢がないと思われている」

関連記事

トピックス

“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
ジャンボな夢を叶えた西郷真央(時事通信フォト)
【米メジャー大会制覇】女子ゴルフ・西郷真央“イップス”に苦しんだ絶不調期を救った「師匠・ジャンボ尾崎の言葉」
週刊ポスト
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン