ライフ

脳梗塞・心筋梗塞の最新検査 血管の「垢」を超音波で計測

画面に表示された「動脈の詰まり」をもとにリスクを判断

 加齢とともに血管内に中性脂肪やコレステロールがたまると、動脈硬化が生じる。そのまま進行すると、血管内にプラーク(血管壁にこびりついた脂肪などの塊)や血栓ができ、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが増す。

 そこで超音波を用いて、頸動脈の動脈硬化の進み具合を調べるのが「頸動脈エコー検査」である。東京高輪病院健康管理センター長の古川恵理医師が解説する。

「検査方法はいたって簡単です。横になった患者の頸部にゼリーを塗って、超音波のプローブ(探触子)を当てて上下左右に動かすだけで、反射して跳ね返ってきた超音波を検出して画像化します。腹部エコーと同じで被ばくや痛みはなく、10分ほどで終了します」

 頸動脈は心臓から大動脈を通じて、脳へ血液を送る重要な血管であり、首の表面に近いところにあるため測定しやすい。

 また脳のほうに血液を送る「内頸動脈」と、顔のほうに血液を送る「外頸動脈」が分かれる「頸動脈分岐部」はとくに動脈硬化になりやすく、この部分を検査すれば、全身の血管の状態を推し量る指標となる。

 エコー検査でまず調べるのは、「IMT(内膜中膜複合体)」の厚さだ。

「そもそも動脈は、外膜と中膜、内膜という三層構造になっており、中膜と内膜を合わせたものをIMTと呼びます。

 頸動脈エコーを使えば、IMTの厚さを計測することができます。IMTの厚さは動脈硬化の進行度と比例し、厚さが1.1mm以上で脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすリスクが高くなると言われています。私たちの病院では、厚さが1.4 mm以上となった方には精密検査を勧めています」(古川医師)

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン