「自民党が同日選で大敗すれば、小沢一郎・自由党代表が石破茂氏を担いで“第2の加藤の乱”を仕掛ける」
当時は荒唐無稽と思われていたが、過剰に反応した安倍首相が、「嫌なら党を出ていけばいい」と石破排除の動きを強めたことで逆にリアリティが出てきた。日経新聞政治部OBの政治ジャーナリスト・宮崎信行氏が語る。
「石破氏は昨年の総裁選で善戦したが、いまや派閥を切り崩されて所属議員が19人に減り、このままでは次の総裁選に出馬できない。竹下派、二階派にも冷や飯組は多い。
ダブル選後に与野党の勢力が今より伯仲した場合、石破氏ら自民党の冷や飯組が“窮鼠猫を噛む”で野党と組んで内閣不信任案に賛成し、安倍倒閣に動くシナリオはあり得る。彼らは26年前の細川政変で自民党総裁でなくても総理になれることを経験している」
鍵を握るのは小泉進次郎氏の動きだろう。
「総裁選で石破氏を支持した進次郎氏が若手の一部と棄権に回れば不信任案成立でしょう」(同前)
※週刊ポスト2019年5月3・10日号