国内

小沢一郎氏が語る新進党の解党「公明は自民に脅されていた」

新進党両院議員総会で新党首に就任した小沢一郎氏(左端)を祝福する海部俊樹氏(中央)と羽田孜氏(時事通信フォト)

 1994年(平成6年)に小選挙区制度が導入され、政界は否応なく2大政党への再編に向かい始めた。自民党は橋本龍太郎内閣で単独政権に返り咲き、小沢一郎は新生党、日本新党、民社党、公明党(衆院のみ)の反自民勢力を結集して新進党を旗揚げ(党首は海部俊樹、副党首は羽田孜、小沢は幹事長)。本格的な2大政党が出現したかに見えた。

 だが、新進党は小沢と盟友の羽田が争った党首選で内部対立が深刻化し、1996年10月の総選挙に敗北。結党わずか3年で解党に至る。当時の舞台裏を小沢が明かした。(聞き手/ジャーナリスト・武冨薫)

小沢:もともとは羽田さんとの党首選挙なんてやる必要はなかったんです。僕だけじゃなくてみんなが「羽田党首、小沢幹事長でいいよ」と。ところが、羽田さんの周りの連中が、幹事長も代えると言い出した。

 渡部恒三さんが心配して羽田さんに「お前が代表、小沢が幹事長。元通りのそのままじゃないか」と言ったんだけど、羽田さんがうんと言わなかった。恒三さんもさじを投げた格好になって代表選になりました。

──結果は小沢圧勝だった。

小沢:敗れた羽田さんは、興志会という派閥をつくりました。僕が羽田さんにいくら執行部に入ってくれって言っても、羽田さんはまた嫌だって言う。羽田さんの周りが、何かあるたびに反対だとわあわあ言って足を引っ張る。

 1996年の総選挙は70選挙区が1万票以内の僅差の負けだったから、党内が一枚岩で戦ったら十分勝てていた。羽田さんが素直にしていれば選挙に勝ってまた総理になれたのに。

〈新進党結成には、「政教一致」批判がある公明党を吸収して創価学会を2大政党体制に取り込むという小沢の狙いがあった。学会取り込みに危機感を感じた自民党は、国会で創価学会名誉会長・池田大作の証人喚問を要求し、新進党分裂工作を展開した〉

関連記事

トピックス

小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン