実際、旧宮家である旧賀陽宮(かやのみや)家や旧東久邇宮(ひがしくにのみや)家には愛子さまと近い世代の20代以下の独身男系男子が6人いると報じられました。学習院や慶應の学生や卒業生であり、育ちも立派な方々ばかりです」(別の皇室ジャーナリスト)
『誤解だらけの皇位継承の真実』(イースト新書)などの著書がある評論家の八幡和郎さんは、「女性皇族のご結婚相手となり得る男系男子の選択肢をさらに広げるべき」と指摘する。
「旧宮家だけでなく、江戸時代から戦前にかけて皇室離脱した方々の男系の末裔まで含めると、皇族以外の男系男子は100人を超えるはずです。宮内庁はこの方々を早急にリストアップするべきでしょう。
もちろん、結婚は本人の意思によるものですので押しつけることはできません。女性皇族と男系男子が自然な形でお近づきになれるように、パーティーを開いたり、海外訪問の際の随行メンバーにするなど、きっかけを作る工夫が必要でしょう」
◆「タイミングとしてはそこしかない」
こうして、愛子さまが女性天皇となる可能性が生じた。しかし、将来民間人となるか天皇となるかで、愛子さまの心身に与える影響が大きく異なることは言うまでもない。
「現在、高校生である愛子さまにとって、将来の身の上がどうなるかわからない曖昧な状況は非常につらいことと察せられます。愛子さまが成人されるあと3年以内がひとつの目処という声も聞かれます。女性天皇に慎重派の安倍晋三総理も2021年で任期が切れるので、タイミングとしてはそこしかない」(政府関係者)
世論が女性天皇の誕生を歓迎し、政府と宮内庁がそれに向けた準備を着々と進めたとする。しかし、そこで、ひとり複雑な思いを抱かれるのは、新皇后となった雅子さまではないだろうか。
「抜群のキャリアがあり、新時代の国際親善を期待されて皇太子妃となられた雅子さまですが、特にお世継ぎ問題では筆舌に尽くしがたい苦悩を経験され、心身のバランスを崩されることがありました。
それなのに、ご自身が体験された以上に重圧がかかる天皇の位に愛子さまがつく可能性が出てきたことに、内心複雑な思いでいられるのではないでしょうか。もちろん、皇后のお立場としては皇統の継承を第一に考えておられるでしょう。ですが、ひとりの母親としてはわが子の将来を心配することは避けられないと思います」(宮内庁関係者)
皇室制度は、国民の支持とともに、時代に沿ってフレキシブルに変化するものだ。それは、自ら希望を述べられることで生前退位を実現された上皇陛下が体現された。
「皇室典範の議論となると、皇族方はいつも蚊帳の外です。憲法上の制約があるのでいたしかたないのですが、もし愛子皇太子を議論の俎上に載せるのならば、ご両親である両陛下のお気持ち、ご意向をうかがう機会が設けられてもいいのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者)
即位を祝う一般参賀で笑顔を見せられた雅子さま。朗らかな表情が末永く続くことを多くの国民が願っている。
※女性セブン2019年5月23日号