国内

女性天皇容認論、皇族以外の「男系男子」リストアップ必要か

「愛子さまを天皇に」待望論が再燃(撮影/五十嵐美弥)

 新天皇のご即位にあわせて、にわかに注目されているのが、「女性天皇容認」に関する議論だ。

 皇位継承の規則を定める皇室典範の第一条には、《皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する》と記される。「男系の男子」とは、父方が天皇の血筋をひく男性のことだ。このルールでは、現在、皇位継承資格を有するのは、継承順位順に【1】秋篠宮さま、【2】悠仁さま、【3】常陸宮さまのたった3人に限られ、安定的な皇位継承において危機的な状況だと言われているのだ。

 そんななか浮上しているのが「女性天皇」待望論。令和時代が始まった直後の5月1、2日に共同通信が実施した緊急世論調査では、皇室典範で「男系男子」に限るとした皇位継承をめぐり、女性天皇を認めることの賛否を尋ねた結果、「賛成」が79.6%で、「反対」の13.3%を大きく上回った。実際に「女性天皇容認」となれば、皇位継承をめぐる風景はガラリと変わる。

 長子優先で女性天皇を認めるよう皇室典範が改正されると、皇位継承順位は【1】愛子さま、【2】秋篠宮さま、【3】眞子さま、【4】佳子さま、【5】悠仁さま、【6】常陸宮さま、【7】彬子さま、【8】瑶子さま、【9】承子さまと変わる。皇室ジャーナリストが指摘する。

「愛子さまが秋篠宮さま、悠仁さまを抑えて皇位継承順位の筆頭となります。つまり、『愛子皇太子』の誕生です。また、女性天皇を認めることで継承資格を有する人数が現行ルール上の3人から9人に増えるため、皇統が断絶するリスクを回避できます」

 ただしその場合、新たな問題が浮上する。それは、愛子天皇の「次に誰が天皇となるのか」ということだ。ここで注意したいのは、「女性天皇」と「女系天皇」の違いだ。

 女性天皇は文字通り女性の天皇だが、女系天皇は「母方だけに天皇の血筋をひく天皇」を指す。仮に愛子天皇が即位すれば「男系の女性天皇」となるが、愛子天皇が民間人と結婚して生まれた子供が皇位を継承すると、誕生するのは「女系天皇」となる。

 女系天皇については、天皇の血を男性から継ぐことを最重要とする保守派を中心に「万世一系を崩す」との反発があり、「女性天皇は認めるが、女系天皇は認めない」との意見も根強い。

 日本の歴史上、女系天皇が即位したケースはないとされ、8人・10例あった女性天皇はすべて、いわば“ワンポイント・リリーフ”として登場した男系の女性天皇だった。

 それゆえ、愛子天皇が誕生した場合、「お世継ぎ」が否応なしに問題となる。その難問を解決するためにしばしば提唱されるのが、「愛子さまが天皇家の血をひく男子と結婚される」という方法だ。

「終戦後の1947年、東久邇、竹田、久邇など天皇の血をひく11宮家、51人が皇籍を離脱しました。その末裔の男系男子が愛子さまの夫になれば、生まれてくる子供は『男系』になるという方法です。

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン