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2019.05.19 07:00  NEWSポストセブン

風間俊介主演ドラマ『おしい刑事』がとにかく「惜しい」ワケ

風間俊介が主演『おしい刑事』(公式HPより)

“ジャニーズの異端児”と呼ばれる風間俊介の主演ドラマがいろんな意味で「惜しい」と話題を集めている。NHK BSプレミアム『おしい刑事』では、「惜しい」押井敬史という刑事を好演。その見どころについてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

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 歌って踊れるアイドルとは違う路線で活躍しているジャニーズタレントといえば、生田斗真と風間俊介。生田は大河ドラマ『いだてん』の痛快男子・三島弥彦役で短距離を疾走したり、ふんどし姿になったりと奮闘を見せた。一方、風間は現在、NHK BSプレミアム『おしい刑事』に主演している。
 
 風間が演じるのは、観察力・推理力抜群だが、なぜか肝心のところでミスして、犯人を間違ってしまう刑事・押井敬史だ。先日は、韓国料理店の料理長が殺された事件を捜査。店でアルバイトしていたアジア系留学生女子四人全員から話を聞くうちに、押井は、かわいいメイファちゃん(久保田紗友)に一目ぼれ。「あんなかわいい子に人が殺せるか」と私見丸出しで捜査したのに、結局、「あなたが犯人だ!」と彼女を犯人だと間違ってしまった。あらら。

『家政夫のミタゾノ』と並ぶ名前まんまのダジャレタイトルといい、堂々とした間違いっぷりといい、疑いなく押井は、これまでテレビに数多く登場してきた「変人探偵」のひとりである。だが、どこかが違う。単純に「変人探偵」と割り切れない気がするのである。

 それは押井のキャラにどこか微妙な「すべり感」があるからだろう。押井は、名探偵お約束のインバネスコートに身を包み、関係者を集めた中でいちいち「犯人はこの中にいる!!」など大仰に言い放った上で間違いをしでかす。おまけに若い女性と目を合わせて話せない超奥手男なのに事件関係の美女に惚れっぽく、当人の前では挙動不審に。おかげで8か国語を話すお嬢様刑事(石川恋)からは「変態」と呼ばれ、後輩のチャラい刑事(犬飼貴丈)からは「童貞」と断定されているのである。間違えては大泣き、振られては大泣きする。観てるこっちは「お子様か」と笑うしかないのだが、ケラケラと笑い飛ばすには、「バッキバキに心折れちゃって」という押井は、もうひとつ振り切れていない印象もある。
 
 思えば、われわれは近年だけでも、驚異的な知力を持ち、趣味で犯罪を暴く『IQ246~華麗なる事件簿~』の織田裕二や、自分を白鳥の生まれ変わりと信じ、何かとバレエのポーズを決めて事件を解決する『刑事バレリーノ』の中島裕翔、男性アイドルグルーブに潜入し、キラキラ衣装で歌い踊る『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』の中村蒼など、振り切れた変人探偵を見てきた。驚異的な嗅覚で犯人の匂いをかぐ『スニッファー 嗅覚捜査官』では、阿部寛が特殊器具で鼻の栓をはずす場面までじーっと見つめてきたのである。もはや、多少の変人では驚きゃしない。

 そこにあえて出てきた『おしい刑事』。いや待て、実はこのズレてる感じも視聴者に「惜しい」と感じさせる作戦なのではないか? だとすれば、これは二重の意味での惜しい刑事? どうやら押井には過去に重たすぎる「惜しい事件」があったらしい。その事件の真相も気になるし、韓国語と日本語の小さな違いから犯人を割り出すなど、謎解きドラマとしての面白さにももっと注目が集まっていい。この点も惜しい!

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