「キャンディーズ時代は用意された曲を次々とレコーディングしていく感じでしたが、今回はスタッフの方たちと一緒に時間をかけて作り上げることができました。制作に関わっている人たちを間近に感じられて、一つひとつの工程を実感できたのが嬉しかったですね。
久しぶりのレコーディングで、最初は声帯がまだ寝ているかな? という感じだったんですが(笑い)、少しずつ感覚が甦ってきました」
アイドル時代にも作詞・作曲を手がけていた伊藤だが、今回も3曲の作詞にチャレンジしている。女優としてのキャリアが、歌や作詞に与えた影響はあるのだろうか。
「お芝居をする時は、言葉がどう伝わるかを常に意識していますから、歌でも言葉をより大事にするようになりましたね。
作詞については、3曲とも曲が先にできていましたので、メロディから刺激を受けて、世界観を決めて。自分のイメージを言葉で伝える作業は難しいながらも本当に楽しくて、時間を忘れて没頭しました」
●いとう・らん/1955年1月13日生まれ、東京都出身。1973年、キャンディーズのメンバーとして歌手デビューし、NHK紅白歌合戦に3回出場。1978年に解散し、一時芸能活動を引退。1980年、映画『ヒポクラテスたち』に出演し、女優として復帰。以後、舞台、映画、テレビドラマで幅広く活躍する。5月29日にソロデビューアルバム『My Bouquet』をリリース。6月11日と12日にTOKYO DOME CITY HALL、6月14日にNHK大阪ホールで初のソロコンサートを開催する。
■撮影/矢西誠二、取材・文/濱口英樹
※週刊ポスト2019年6月7日号