しかし、今回は違っていた。傍観者に徹するつもりが、涙が溢れるのを止められなかった。密着取材を続けていたNHKの取材班も号泣していた。
彼女の安楽死に密着してなお、日本で安楽死を認めることに現状では反対であるとの考えに変わりはない。ただ、「どうか、ありのままの私を伝えてください」という小島さんの最後の願いには、応えていかなければならないと思っている。
(構成/本誌編集部)
●みやした・よういち:1976年、長野県生まれ。18歳で単身アメリカに渡り、ウエスト・バージニア州立大学外国語学部を卒業。その後、スペイン・バルセロナ大学大学院で国際論修士、同大学院コロンビア・ジャーナリズム・スクールで、ジャーナリズム修士。6言語を操る。講談社ノンフィクション賞受賞作『安楽死を遂げるまで』の続編にあたる『安楽死を遂げた日本人』が刊行された。
※週刊ポスト2019年6月21日号