『明仁天皇物語』より
普段、私たちは天皇陛下がいて当たり前の生活をしています。日常生活の中でも「天皇陛下がどこそこにいらっしゃった」などと「天皇」という言葉を普通に口にしますが、「では天皇陛下のお名前は?」と尋ねると知らない人が案外多くて驚きます。あらためて尋ねると「えっ? 天皇は…天皇じゃない?」と答える人が結構いるのです。もちろん、天皇を実名の「諱(いみな)」で呼ぶことがタブーとされてきた考え方があるせいもあるでしょうが、お名前のことに限らず、それくらい「平成の天皇」の人物像について、特に若い人たちは知ってるようで実はよく知らないんじゃないかと。
そこで、美智子さまとともに多くの人から共感を寄せられてきたお二人のこれまでの歩みを、分かりやすく漫画で辿ることができないかと考えました。歴史的なタームではごくごく最近の近代史の人物の中でも、すでに「諡(おくりな)」で呼ばれている天皇は歴史上の人物といえます。それに比べて明仁陛下は、つい先日上皇となられたばかりの方ですので、考えてみれば恐れ多いチャレンジです。
しかし、先の譲位を巡る「お気持ち表明」のビデオメッセージには私自身、強い衝撃を受けましたし、現在の私たちと同じ時代を「象徴」として生きられた明仁天皇の物語を、せっかく機会を与えられたんですから、ぜひ描いてみたかったのです。
監修は『昭和天皇物語』の志波秀宇氏、時代考証は國學院大學の黒川徳男先生にお願いしましたが、この企画について最初にお話しした際、お二人ともに「え? 存命中の天皇陛下を物語にするのですか」と驚かれてしまいました。…でも、止められはしませんでしたので。
『明仁天皇物語』(小学館)
原作・永福一成 作画・古屋兎丸 監修・志波秀宇
全ての国民に愛され、また、国民とともに歩まれてきた明仁上皇陛下と美智子上皇后陛下。お二人の苦難の旅路を描いた本格ドキュメントコミック。
B6判、216ページ、680円+税、2019年6月28日発売
『明仁天皇物語』より
『明仁天皇物語』より
『明仁天皇物語』より
※『明仁天皇物語』の原作者・永福一成氏と作画・古屋兎丸氏による制作裏話トークイベントが開催されます。抽選でサイン入り色紙プレゼントがあるほか、サイン入りコミックスも先着20名に販売。
日時:2019年10月15日(火)18:00会場、19:00開演
会場:「ロフトプラスワン」東京都新宿区歌舞伎町1-14-7 林ビルB2
チケット:前売1800円、当日2300円
詳細・チケット購入は https://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/126733