1994年3月、田原俊彦はジャニーズ事務所から独立。同月にSMAPは『Hey Hey おおきに毎度あり』で初のオリコン1位を獲得し、この年『オリジナル スマイル』『がんばりましょう』『たぶんオーライ』とヒット曲を連発した。
実は、田原は独立後もSMAPと同じ番組に出演したことがある。1995年4月5日放送の『’95夜のヒットスタジオ・グレートアーティスト・超豪華!春のスペシャル』(フジテレビ系)だ。過去の『夜ヒット』における歌手のジョイントVTRを見た後、司会の関口宏が「たとえば、誰かとジョイントといったら、先輩方で誰がいいですか」と聞くと、木村拓哉はひな壇にいる田原のほうに体を向けて、「いやいやぁ……」と頭を下げながら恐縮していた。
ジャニーズ事務所の歴史を振り返ると、彼らの功績は大きい。1980年代後半に田原俊彦が連続ドラマ主演という新たな道を切り開いたように、1990年代にSMAPはバラエティ界に本格進出していった。1970年代からジャニーズのタレントはコント番組に出演していたが、アドリブが要求されるトークバラエティを主戦場の1つにしたのはSMAPが初めてだった。彼らはアイドルという職業の寿命を伸ばし、後輩の道しるべとなった。
今回、『氣志團万博』での同日出演が判明しただけで、共演するかはまだわからない。だが、もし4人が同じ舞台に立てば、大きな話題になることは間違いない。香取が“完コピした”『抱きしめてTONIGHT』で一緒に踊る姿を見たい。
●文/岡野誠:ライター・芸能研究家。研究分野は松木安太郎、生島ヒロシなど。本人へのインタビューや関係者への取材、膨大な資料から解き明かした著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)の3刷が決定。同書には〈特別検証:田原俊彦とジャニーズ共演NG説を追う〉〈SMAPの中居正広と申します〉などの見出しも並んでいる。