ステップ【1】で60歳時点の総資産、ステップ【2】で60~64歳の5年間の総収入と総支出が見えた。これを差し引きするのがステップ【3】。導き出した65歳時点での総資産額について「1300万円に達していることが望ましい」と話すのは、くじらやFPオフィス代表でファイナンシャルプランナーの日野秀規氏だ。

「歳を重ねるほどに負担が大きくなるのが、『医療費』と『介護費』です。65歳以降、通院などの交通費も含めた夫婦2人の医療費、介護費として約1200万円、子供に負担をかけないための葬祭費として100万円。合わせて1300万円が余裕資金としてあれば、よほどのことがない限りカバーできるでしょう」

 1300万円に届かない人は定年後の自分の働き方を検討し直すとともに、“妻がたくさん働く”という選択肢も考えたい。女性の場合、男性よりも5歳下の世代(1966年4月1日以前に生まれた世代)まで特別支給の年金を受け取れる。夫婦で協力すれば、60代前半の給与・年金収入を大きく増やせるチャンスがある。

◆60代後半も働くかその「分岐点」

書き込みで「生活費寿命」をチェック

 ステップ【4】は65歳以降の収支の把握だ。ステップ【2】と基本的には同じだが、収入の柱は年金になる。50歳を過ぎると、ねんきん定期便で65歳からの受給見込み額が確認できるので、その数字をシートに記入。

 妻が年下の専業主婦なら、妻が65歳になるまで、夫の年金に最大で年額39万100円の「加給年金」が上乗せされる可能性がある。ただし、ねんきん定期便の見込み額には含まれていない。自分が受け取れるかは、年金事務所に個別確認が必要だ。

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